「レジ待ちでイラッ」がなくなる、シンプル思考法 モヤモヤ・イライラの根本原因は「焦り」だった

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日常の何気ない風景の中にも、イライラやモヤモヤはあるものです(写真:xiaosan/PIXTA)
「明日会社へ行くのが嫌だ」「このSNSは『いいね』がどれだけつくだろうか」「老後は安泰だろうか」……こうした小さな悩みや不安は誰しもが抱えるものです。コロナ禍や、ロシアのウクライナ侵攻などにより、不安や悩みは強まっていると内科医で心身医学専門医の岩田千佳さんは言います。
日常生活の中で生じる小さなマイナス感情が大きな不安につながり、それがストレスとなり、いつのまにか健康に支障をきたす可能性は大いにあります。目に見えない、正体がはっきりしないものに対して人は不安を感じるのです。
この漠然とした不安をあえて岩田さんは「不安ちゃん」と呼んでいます。キャラクター化すると、不安をユーモラスに感じ、さらに根本からの対処法を知れば、むしろゲーム感覚で人生を楽しめるようになります。
不安ちゃんの正体』を上梓した岩田さんが本書抜粋しながら、不安の対処法を皆様にお伝えします。(3回にわたって紹介。今回は2回目)

スーパーで隣のレジが早いとイラッ

日常の何気ない風景の中にも、イライラやモヤモヤはあるものです。

スーパーのレジが混んでいるときに、自分の並んだレジよりも隣のレジの進みが早いと、なんとなくイライラしませんか? 買い物に来たのであって、支払いのスピードを競いに来たわけではないのですが、脳はつい何かを比較してしまいます。

そのため、「あちらのレジのほうが早い」「こちらのほうが」と、なんとなく先を越されて負けたような感じがするのです。レジでの勝ち負けでイラつくのも、実はあなたの中の不安ちゃんが関係しています。

「いつも私はついてない」「私って運がない」「なぜ、私ばっかり損をするの?」、そんな考えが頭に浮かびませんか? 人はきっかけさえあれば、自分のアイデンティティーを否定するような言葉が出てくるのです。それは「私は我慢するしかない」とか「私は負け犬だ」といった、無意識の決めつけなのです。それが状況に応じて先述したような言葉となって出てきます。

皆さんも思い当たる節があるのではないでしょうか。そのような言葉が出てきてしまうのは、幼少期の体験・経験による決めつけがあるからです。そして、その後の状況や環境によって強化されていくのです。

不安ちゃんはレジ競争に臨戦態勢ですが、それにあなたが翻弄される必要はありません。「あっちの列のほうが短い」とか、「あの店員さんのほうが打つのが速い」とか、あるいは、前に並んでいる人の買いものカゴの点数までチェックする方もいるかもしれません。

しかし、そこまで吟味しても、並んだレジが一番早いとは限りません。前のお客さんの支払いに時間がかかったり、バーコードの読み取りができなくて店員さんが売り場まで値段を見に行ったりするなど、アクシデントが起こることはよくあります。そしてそれが、さらにあなたのイライラ、モヤモヤを募らせることにもなりかねません。

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