ファナックが22年度の営業益予想を若干上方修正 ロボット部門米中で大幅増、1対5の株式分割実施

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ファナックは今期(2023年3月期)の連結営業利益計画を従来の1817億円から1844億円に上方修正した。市場予想平均1899億円を下回った。前期比では0.6%の増益となる。

発表によると、第4四半期の想定為替レートを見直したことや、FA(工場の自動化)部門での中国などにおける発注調整の影響はあるものの、第2四半期決算発表時点の計画よりも業績が堅調に推移しているためだと説明している。

想定為替レートは1ドル=130円、1ユーロ=130円としていた従来見通しを、1ドル=125円、1ユーロ=135円に見直した。

また、同時に3月31日を基準日として、1株を5株に分割すると発表。株式の流動性を高め、幅広い層の投資家による保有を促すためとしている。効力発生日は4月1日。

第3四半期は好調

同社の10-12月期は、売上高が四半期として過去最高となった。ロボット部門は米州や中国などで大幅に増加し、前年同期比で2割以上の伸びとなった。同様に国内や欧州、中国で好調だったロボマシンも2割近い伸びとなった。

工作機械に組み込む数値制御(NC)装置で世界シェアトップのファナックは、自動車や半導体製造装置メーカーなど幅広い顧客を抱える。工場での自動化ニーズが高まる中、産業用ロボットやFA分野の生産体制を強化する。

日本工作機械工業会は23年の工作機械受注について、前年の実績見通しより1割弱程度の減少となる1兆6000億円になると見込んでいる。

(詳細を追記します)

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著者:古川有希

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