ジャック・マーが何より大切にしている経営原則 2007~2011年、大発展を遂げていた頃の生声

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ジャック・マー氏
アリババ創業者ジャック・マーの生声をお届けします(写真:Andrey Rudakov/Bloomberg)
中国を代表するIT企業・アリババグループを築いたジャック・マー。成功の絶頂にありながら引退を発表し、姿を消した男の素顔は、日本ではあまり語られてこなかった。優秀とは言えない青年期を過ごし、英語の教師からキャリアをスタートさせ、中国最大の成功者の一人となったマー。そんなジャック・マーが取材や株主への手紙などで自ら語った言葉を集めた『ジャック・マーの生声』より、ベンチャー企業にすぎなかったアリババグループを世界規模のIT企業へと成長させるまでの言葉を一部抜粋・再構成してお届けする。

方法は真似できても英知は真似できない

<2007~2011《加速》
香港証券取引所に世界第2位の規模で株式上場を果たし、世界でも最大規模の企業集団へと成長を加速させるまで>

アリババ集団にとって、香港でのIPOは始まりにすぎない。長い旅を前にしてガソリンスタンドで給油しているところだ。
――2007年11月6日 香港証券取引所 新規株式公開 記者会見


他社がアリババをそのままコピーして真似することは可能だろうか?
もしかしたら、我々の方法は真似できるかもしれない。だが我々のチームや、我々が失敗から学んだ英知を真似することはできない。
それに、私の考え、我々が顧客から受けている信頼、彼らが与えてくれたチャンスを真似することはできない。
――2008年3月5日 深圳アリババ会員企業大会


あなたは何をしたいのか?理想と夢を持たなくてはならない。
そのためなら、自分の家を売ってもいいと思えるほどの理想と夢です。
――2008年3月17日 北京 アリババ会員企業大会


私のオフィスには、武侠小説家の金庸の言葉が掛けてある。
「周りの人の才能を大事にできるのが、偉大な指導者だ」という言葉だ。
――2008年9月4日 解放日報

1995年、私はインターネットというものが存在すると人々を説得しようと必死だった。だが、私の話を信じてくれる人は少なかった。(中略)ジャック・マーがいくらそう主張しても、誰も信じてくれなかった。
そこで、私は言い方を変えて、インターネットは人々の生き方を変えるとビル・ゲイツが言っていると言うことにした。メディアはこれに飛びついた。本当は、それは私が言っていることだった。1995年には、ビル・ゲイツだって、それほどインターネットを信じてはいなかったと思う。
あとになって、私はビル・ゲイツに会うたびに、何度も謝罪したよ。
――2008年10月25日 河南青年企業家フォーラム


私は特に才能に恵まれた人間ではありません。
私の容貌、能力、教育、どれをとっても社会の最良からはほど遠い。
しかし、私は人間の性質を理解しています。成功するためには、欠点をコントロールし、長所を積み上げていかなければなりません。
私はそれを、チーム精神、そしてミッションを仲間とともに担うことによって、実現してきました。
――2008年10月28日 稲盛和夫(京セラ創業者)との対話

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