具体的には、マツダ車の特徴であった格子グリルをボディ同色のパネルとし、6色の2トーンホイールキャップを装着。さらにメーカーオプションで、3色のルーフフィルムを設定する。つまり、オプションやアクセサリーを使って、カラーコーディネートが楽しめるグレードなのだ。
ボディカラー11色、インパネカラー3色、ルーフカラー3色、ホイールキャップカラー6色の組み合わせにより、可能となるカラーコーディネーションは、198通りにもなる。「エアストリームブルーメタリック」と「エアログレーメタリック」のボディカラーは、新色だ。
なお、2トーンルーフを塗装ではなくフィルムとした理由は、CO2排出量の大幅削減が実現できるからだという。また、インテリアパネルは植物由来原料のバイオエンプラ(バイオプラスチック)製で、素材自体に着色剤を用いることで塗装を省き、質感を向上させながらコストを改善している。
XDの使命はユーザーの若返り
ここまでMAZDA2の大幅改良を紹介してきたが、パワートレーンや機能面についての触れられていないことに気づいた人もいるだろう。
実は、1.5リッターのガソリン/ディーゼル(SKYACTIV-G、SKYACTIV-D)というエンジンラインナップを含め、基本的なメカニズムや「マツダ コネクト」などの機能は変わらない。あくまでもグレードと内外装の仕様変更が主な改良なのだ。そこにMAZDA2が置かれる現状が見てとれる。
冒頭でも触れたように、2014年にデミオとして発売されてから10年に近い年月が経つ。電動化についての議論もあったようだが、このタイミングでパワートレーンの大幅アップデートは難しかったのだろう。また、他にコンパクトなモデルがラインナップにないマツダにとって、このクルマのためだけに開発する難しさもあるはずだ。
また今回、SPORTとBDを新たに設定し、メインに据えた理由には、ユーザーの若返りを図る目的もある。2016年と2021年を比較したマツダのデータによると、コンパクトカー市場全体に占める若年層(20~30代)の割合は微減にとどまっているが、マツダだけに絞って見ると半減しているという。
MAZDA2は、マツダの約2割を占める重要なモデルであり、もっとも安価なエントリーモデルでもある。MAZDA2を若年層にアピールできなければ、その後の買い替え需要も先細ってしまう。
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