「7代目マークⅡ」、セダンの栄華を極めた車の軌跡 1992年登場、高級感と豊富なグレード構成が魅力

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ツアラーVのシートは、中央部分にチェック柄のファブリックを張った、ちょっとVWゴルフGTIを思わせるもの。滑りにくいし、適度に品がよい。これも、私は個人的に好きだった。

ボディデザインは、つねにトヨタセダンの魅力的な部分だ。ひとことでいうと、品がよい。それでいて、適度に躍動感がある。マークⅡも例外でない。

“ドライバーズカーは4ライト(リアクオーターパネルに明かり採りをもたないボディ形式)”という、英独流のイディオムを守ってきたのも、トヨタの好ましいこだわりだ。

7代目は、同時に、洗練度が高いスタイルを実現。ボディは、なめらかな曲面で構成されていた。

「チェイサー」「クレスタ」と3兄弟だった

マークⅡは「マークⅡ3兄弟」といわれ、販売チャネルごとに違う名前を持った車を用意するマーケティング施策として「チェイサー」と「クレスタ」という、3つのモデルが同時開発されていた。ボディパネルは各車とも専用というコストのかけかた。

もっともスポーティなモデルはチェイサーで、伝統的なセダンを好むひとに向けたモデルはクレスタ。

7代目マークⅡのスタイリングの特徴は、キャビンにある。

先代は、逆カンチレバールーフ(Aピラーをブラックアウトした“片持ち”スタイル)だったが、そこから離れて、Aピラーをあえてしっかり見せていた。それで安全性の高さも印象づけられた。

私は、この原稿を書いていて、いまいちど、3リッターのグランデと、2.5リッターツインターボのツアラーVに乗ってみたくなった。

1996~2001年の8代目マークⅡ(X100型)も完成度が高いのだが、ボディスタイリングは、ちょっとアグレッシブすぎて、個人的に、セダンへのこだわりがいいかたちで結晶化したのは、この7代目だと思っている。

いまの、古いクルマを好む若いひとの目からすると、7代目の4ドアハードトップはスタイリング的に洗練されすぎているかもしれない。それより実用一点張りのワゴンがウケそう。余談ですが。

1990年代のクルマはこんなにも熱かった
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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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