社員を不幸にする組織、幸せにする組織の決定差 科学的に「幸福度の高い組織」をつくる方法

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このように考えてみると、「幸福」についても、1つの答えらしきものが見えてきます。誤解している人が多いかもしれませんが、「ラクな仕事」は、決して個人を幸せにはしてくれません。「ラク」は「退屈」につながり、「退屈」は「精神の荒廃」につながる。実は「ラクな仕事」ほど、個人を不幸にしかねないものはないのです。

主体的に挑戦し、みずからの力で成果を手にすること。そうありたいと志向すること。特に仕事における幸福とは、こうした前向きな精神エネルギーがあふれている状態を指します。今、マネジメント層に第一に必要なのは、この人間理解であると思います。

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ではどうしたら、そんな前向きな精神エネルギーのあふれる組織をつくれるでしょうか。

そこで挙げたいのが1つめのキーワード――リンダ・グラットン博士も『リデザイン・ワーク 新しい働き方』のなかで言及している、①「人的ネットワーク」です。

たとえば、こんな興味深いデータがあります。あるコールセンター(アポ電話をかけて仕事を受注する)で、従業員を4名1組の同世代グループにして休憩を取らせるパターンと、4名1組の異世代混合グループにして休憩を取らせるパターンを試したところ、前者は後者より10パーセントも受注率がアップしたのです。

秘密は休憩中の雑談にあります。異世代混合グループよりも同世代グループのほうが雑談に花が咲き、話が弾むほどに相互理解も深まります。互いの人となりを知り、コミュニケーションが円滑になる。それが仕事の成果の差に直結したと考えられます。

休憩中の雑談など、勤務時間の1割にも満たないものですが、その1割未満が9割以上のパフォーマンスに影響するのが人間というものなのです。

周囲からのサポートも、共感、応援、知恵、情報なども、仕事を後押ししてくれるものはすべて、良好な人間関係から得られます。ことほどさように、組織内の人的ネットワークが豊かであるか、コミュニケーションが盛んであるかによって、成果に違いが出てくるわけです。

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