「卒業式に行きたくない子」は一体どうするべきか 経験者80人に聞いてわかった満足・不満足

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出席者のうちもっとも多かった回答は「どちらともいえない」で4割を超えました。この点については「後悔したくないと思って出たが周囲の対応に傷ついた」「居心地が悪かった」といった意見が寄せられました。また、「最後だから」という周囲の期待に応じるかたちで出席を決めた人からは「卒業式に出るという経験ができたことはよかったが、後悔もしている」という意見もありました。

他方で、欠席者のうちもっとも多かった回答は「欠席してよかった」というもので、8割に達しています。逆に欠席したことを後悔する声は1割に満たなかったのです。

回答者からは「もう学校へ行きたくなかったから」という声があったほか、卒業アルバムについても「学校からは何ももらいたくない」との理由で受け取らなかったという声もありました。子どもが考え、自身で決めたことについては、卒業からしばらく経った後でも肯定的に捉えられていることがうかがえます。

半数が、別のかたちでの卒業式を経験

多様な選択肢をアンケートの回答を整理するなかで、卒業式のあり方についても、興味深い点があります。回答者のおよそ半数がいわゆる学校行事としての式典には参加せず、別のかたちでの卒業式を経験していたのです。一例を挙げると、①校長室で個別に、②教室で不登校をしていた子どもたちで、③自宅で、などがありました。

くり返しになりますが、もっとも大事なことは子どもの「自己決定」です。学校行事としての式典の出席にこだわる必要はありません。上記のようなさまざまな選択肢について親と学校間で相談することも大切ですし、言うまでもなく、そのなかには欠席という選択肢があることも重要です。

子どもは日々葛藤するなかで、気持ちも変わります。昨日まで行くと言っていたのに、急に行かないと言い出す場合もあるかもしれません。子どもの気持ちの揺れに、親もとまどうことがあるかもしれません。卒業式を控えた今、親にできることは「卒業式に出るか出ないか」という二者択一を迫ることでも、「出たほうが良い悪い」という価値判断をすることでもありません。揺れる子どもの自己決定の「今」を、その都度、受けとめていくことだと思います。

(編集局・小熊広宣)

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