逆転現象自体は多発しているのであろうが、高収益に手が届かないのは、やはり他社の顧客を奪うアプローチの限界と考えるべきなのであろう。
成熟市場の場合ほど酷くはないが、成長市場の場合も仕掛けて成功したケースより、仕掛けて失敗したケースのほうが目立つ事実は頭に入れておきたい。
「売り物」と「売り先」を隣地に求める
本書の分析では、成長市場を攻めて成功したのは、成功ケース151のうち19社、失敗したのは、失敗ケース101のうち28社となっている。
(外部配信先ではランキングやグラフ・図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
それでも成長市場で仕掛けるなら、活路がないわけではない。広く推奨できるのは、立地の戦略である。
成長市場で高収益事業を創りたければ、既存の競合他社と真正面から勝負せず、土俵を変えることである。
そこには大きく分けて「売り物」を自社事業の隣地から選ぶ手と、「売り先」を自社事業の隣地に求める手の二通りがある。
本書の分析結果は1:1の比を示しており、どちらも等しく有力と言ってよい。
成功ケースは広く分布しており、隣地開拓はプレーヤーを選ばない。後発の挑戦者にとって有力な戦略オプションと考えてよかろう。
ただしローテクのケースが目立つことから考えて、ハイテクは適用外としておきたい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら