「認知症ビジネス」騙されないために知るべき事 「腸内細菌」が認知症予防のカギとなる可能性

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
数年ほど前から注目される腸内細菌と脳の関係性を例に、健康に関する「ちまたでよく聞く噂」について紹介します(写真:shimi/PIXTA)
健康に関する「ちまたでよく聞く噂」には実際のところ、どこまで科学的根拠があるでしょう。例えば、数年ほど前から注目される腸内細菌と脳の関係性。はたして腸内細菌は認知症予防のカギを握っているのでしょうか。
NY在住・新進気鋭の専門医、山田悠史氏の著書『健康の大疑問』より、一部抜粋、再編集して最新の知見を紹介します。

腸内細菌と脳の関係性

数年ほど前から、腸内細菌と脳の関係性が注目されるようになりました。腸内細菌と人間の脳が何らかの形でコミュニケーションをとっているのではないかというのです。

「火のないところに煙は立たぬ」とはよくいったものですが、実際マウスモデルに抗菌薬を投与して腸内細菌を死滅させたり、腸内細菌の数を減らしたりしてみると、マウスの認知機能の低下が観察されていたのです(Int Rev Neurobiol. 2016;131:227–246より)。このことは、少なくともマウスでは、腸内細菌が認知機能の維持に一役買っているということを示唆しています。

それでは人ではどうかと言えば、小規模の人間の研究でも、腸内細菌と認知機能の間に関連がある可能性が指摘されてきました。仮に、腸内細菌が認知機能に影響を及ぼしているとして、どのようなメカニズムが考えられるのでしょうか。

次ページ最近行われた、領域では大規模な研究
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事