「白髪予防」にワカメを食べる人が知らない真実 なりやすい人「遺伝、ベジタリアン、飲酒、喫煙」
このように「食品と健康」に関する情報は、常に注意して見なければいけません。誰もが経験をし、避けたいと思っている老化は、ビジネスにつながりやすいのです。科学的な根拠という視点で見ると、そのほとんどが残念ながら過剰な広告になってしまっています。
老化ビジネスにおどらされないために
老化とビジネスといえば、最近注目されているNMNサプリメントにも簡単に触れておきましょう。NMNとは正式名称をNicotinamidemononucleotide(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)といって、小腸で効率よく吸収されることが知られています。その後血液を巡り全身の細胞に届けられると、細胞内にNAD+(ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド)と呼ばれる物質が作られます。NAD+の減少が認知機能低下を招いたり、炎症性の疾患を起こしたりするといわれているため、NMNサプリメントは不老を導く次世代エイジングケアとして謳われているのです。
一方で、このNMNサプリメント、確かにポテンシャルはありそうですが、一体どのぐらいの量をどのぐらいの期間飲めば、どんな病気を(あるいは老化そのものを)どんな確率で改善するのかは依然として未知のままです。NMN以外のNAD+を増加させるサプリメントでは、腎臓や肝臓に障害をきたしたという報告もあります。むやみやたらにNAD+を増加すれば良いというものでもなさそうです。また、長期に飲むことに伴う安全性もわかっていません。
健康情報で出てくる「科学の話」を読む際には、「それが本当に人レベルの臨床試験で検証されているのか」を確認するのが大切です。もし、マウスや細胞レベルの実験を引用しているのであれば、それはまだ根拠としては未熟です。
様々なソーシャル・メディアの進歩により、欲しい情報にアクセスすることは格段に容易になった一方、正しい情報にアクセスすることはより困難になったといえるかもしれません。情報が溢れる世界で、どう情報を集めるか、ヘルスリテラシーは、今の時代を健康に生き抜く上でますます必須の能力になりつつあるといえます。
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