なぜ今?菅前首相、沈黙破り「岸田批判」始めた内幕 政権危機で加速する自民党実力者の主導権争い
その一方で、ワシントンを訪問中の河野太郎デジタル担当相も11日、自らの後見人ともみられている菅氏の派閥離脱問題での岸田首相批判について記者団に問われると、「わからなくもない」と一定の理解を示した。ただ、将来、河野政権が誕生した場合の首相としての派閥離脱については「そのときにしっかり考えていきたい」と苦笑交じりではぐらかした。
岸田首相は静観決め込み「G7議長外交」に専念
こうした中、岸田首相は9日から7日間にわたるフランス・イタリア・イギリス・カナダ・アメリカ5カ国歴訪による「G7議長外交」で、通常国会の論戦をにらんでの政権浮揚に腐心。自らの首脳外交に冷水を浴びせるような菅氏の言動についても「いたずらに反応すると、菅氏の術中にはまる」(岸田派幹部)として静観を決め込む構えだ。
岸田首相周辺は「菅さんは無派閥を売り物にしているが、多くの派閥の支持で首相に就任したのも事実」(側近)と皮肉交じりで論評。そのうえで「岸田首相の政策決定や首脳外交は、派閥ではなく国民優先の立場からのもので菅氏の指摘は的外れ」(同)と反論する。
ただ、通常国会召集以降の政局展開はきわめて不透明な要素が多く、岸田首相と菅氏は、「今後も事あるごとに“神経戦”を続ける」(自民長老)ことは間違いなさそうだ。
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