「介護のお金」は、いったいどれくらいかかるのか? 期間は5年超、「500万円近くかかる」は本当?

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「介護費用」はいったい、いくらかかるのだろうか。全体像を知れば、少しは安心できるかもしれない(写真:HBS/PIXTA)

介護について気になることの1つが、費用です。調査によると、介護にかかる費用は500万円近いともいわれています。実際のところはどうなのか、抑える方法はないのか、誰が負担するのかなど、介護費用のポイントを解説します。

かかる費用は平均で月8.3万円、期間5年1カ月

介護について考える際には、費用についても知っておく必要があります。まず気になるのは「どれくらいの費用がかかるか」です。

生命保険文化センターが過去3年間に介護を経験した人に調査したところによると、介護にかかる初期費用は、住宅の改修や介護ベッドの準備などで平均74万円でした。月々の費用は、平均で8万3000円です。介護した期間の平均は5年1カ月で、4年を超えて介護した人も約5割です。初期費用に、この5年1カ月分の毎月費用の平均を加えると、約580万円と計算されます。

ただし、在宅介護か、施設介護かなどによっても費用は異なります。在宅介護では月額の平均が4万8000円。一方で、施設介護では費用が大きく上がり、平均12万2000円。介護付き有料老人ホームを利用する場合、利用料金や介護費用の自己負担分などを合わせて月額20万~40万円程度かかるのが一般的です。

要介護認定を受けて公的介護保険のサービスを利用する場合は、費用の一部を利用者が負担します。自己負担の割合は利用者の収入によって異なります。例えば単身世帯では収入が公的年金だけなら年収280万円未満、夫婦世帯では同年収346万円未満の場合、自己負担は1割です。事業収入や不動産収入があるなど、収入が多い場合は2割または3割負担となります。

「どこで介護するか」「要介護度はどのくらいで、どのような介護をするか」「介護期間はどれくらいか」、さらに「どの程度の収入があるか」などで費用は大きく異なる、ということを理解しておきましょう。

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