自己との対話はとても大事です。自分がなにをしたいのか、どこにいるのか、まわりに振り回されず、つねに現在地を知り、自分軸を持つ必要があります。
SNSの時代は、他人の価値観に振り回されることがよくあります。『チャッター』は、それによって内なる声がわき出て邪魔をするということと、それに対処するためのテクニックを紹介していますが、結局のところ、「しっかりと自分を持ちましょう」ということを語っている本なのだと感じました。
重要なのは「自分がどうしたいのか」
内なる声は、心の中の物語であり、自分のアイデンティティを構築していくためにも役立つものだということが書かれています。グローバルに活躍していくためにも、民族的なアイデンティティを超えて、個人として自分がどうしたいのかという感覚を養うことが大切です。
かつては、いい学校を出て、いい会社に就職してという敷かれたレールの上を歩む時代でした。そして、現在は、「多様性」とはいわれますが、実際には「誰かの意見の多様性」にすぎず、実は、他人の価値観を生きている人が多いと感じます。
多くの情報のなかで、それに乗っ取られやすくなっていますよと警鐘を鳴らし、自己を見つめ直そうと提唱されている、それが『チャッター』を書かれたイーサン・クロス氏の伝えたいことだと僕は思っています。
(構成/泉美木蘭)
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