情報まみれの現代人「脳疲労」が急増している理由 日記は冷静さを、SNSはストレスをもたらす

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自己との対話はとても大事です。自分がなにをしたいのか、どこにいるのか、まわりに振り回されず、つねに現在地を知り、自分軸を持つ必要があります。

SNSの時代は、他人の価値観に振り回されることがよくあります。『チャッター』は、それによって内なる声がわき出て邪魔をするということと、それに対処するためのテクニックを紹介していますが、結局のところ、「しっかりと自分を持ちましょう」ということを語っている本なのだと感じました。

重要なのは「自分がどうしたいのか」

内なる声は、心の中の物語であり、自分のアイデンティティを構築していくためにも役立つものだということが書かれています。グローバルに活躍していくためにも、民族的なアイデンティティを超えて、個人として自分がどうしたいのかという感覚を養うことが大切です。

かつては、いい学校を出て、いい会社に就職してという敷かれたレールの上を歩む時代でした。そして、現在は、「多様性」とはいわれますが、実際には「誰かの意見の多様性」にすぎず、実は、他人の価値観を生きている人が多いと感じます。

多くの情報のなかで、それに乗っ取られやすくなっていますよと警鐘を鳴らし、自己を見つめ直そうと提唱されている、それが『チャッター』を書かれたイーサン・クロス氏の伝えたいことだと僕は思っています。

(構成/泉美木蘭)

菅原 道仁 脳神経外科医・菅原脳神経外科クリニック院長

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すがわら みちひと / Michihito Sugawara

1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、緊急脳疾患を専門として国立国際医療研究センターに勤務。2000年、脳神経外科専門の八王子市・北原国際病院に15年間勤務し、日々緊急対応に明け暮れる。その後、2015年6月に菅原脳神経外科クリニック(東京都八王子市)、2019年10月に菅原クリニック 東京脳ドック(港区・赤坂)を開院。その診療経験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする医療を行う。脳のしくみについてのわかりやすい解説は好評で、テレビ出演多数。著書に『そのお金のムダづかい、やめられます』(文響社)、『成功する人は心配性』(かんき出版)などがある。

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