情報まみれの現代人「脳疲労」が急増している理由 日記は冷静さを、SNSはストレスをもたらす

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自己との対話はとても大事です。自分がなにをしたいのか、どこにいるのか、まわりに振り回されず、つねに現在地を知り、自分軸を持つ必要があります。

SNSの時代は、他人の価値観に振り回されることがよくあります。『チャッター』は、それによって内なる声がわき出て邪魔をするということと、それに対処するためのテクニックを紹介していますが、結局のところ、「しっかりと自分を持ちましょう」ということを語っている本なのだと感じました。

重要なのは「自分がどうしたいのか」

内なる声は、心の中の物語であり、自分のアイデンティティを構築していくためにも役立つものだということが書かれています。グローバルに活躍していくためにも、民族的なアイデンティティを超えて、個人として自分がどうしたいのかという感覚を養うことが大切です。

かつては、いい学校を出て、いい会社に就職してという敷かれたレールの上を歩む時代でした。そして、現在は、「多様性」とはいわれますが、実際には「誰かの意見の多様性」にすぎず、実は、他人の価値観を生きている人が多いと感じます。

多くの情報のなかで、それに乗っ取られやすくなっていますよと警鐘を鳴らし、自己を見つめ直そうと提唱されている、それが『チャッター』を書かれたイーサン・クロス氏の伝えたいことだと僕は思っています。

(構成/泉美木蘭)

菅原 道仁 脳神経外科医・菅原脳神経外科クリニック院長

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すがわら みちひと / Michihito Sugawara

杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、国立国際医療センター、北原脳神経外科病院にて数多くの救急医療現場を経験。外来診療は月に延べ1500人ほどを診察する時期もあったが、ひとりひとり責任をもって診察をするために2015年6月に八王子市内で小規模ながら大病院並みの検査機器を揃えたクリニックを開業。「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践している。元・日本健康教育振興協会会長。著書に『認知症予防のカキクケコメソッド』『すぐ怠ける脳の動かし方』『頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業』ほか多数。

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