冷静に見て、ウクライナ戦争は来年どうなるのか 開戦から1年、世界大戦の可能性はゼロではない

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2022年12月21日、訪米したウクライナのゼレンスキー大統領(左)とともに記者会見を行うアメリカのバイデン大統領。アメリカはウクライナに2400億円規模の追加の軍事支援を行うと表明した(写真・2022 Bloomberg Finance LP)

2022年2月24日のロシア軍による東部ウクライナ・ドンバス地域への侵攻からほぼ1年近くがたった。この戦争はどうなるのだろうか。西側の大手メディアは第2次世界大戦中と同じように、都合のいい情報しか流していない。もちろん、東側のメディアもその点では同じだ。戦争状態は、かくも人間を異常にする。それは「飢えたガチョウは食べ物の夢を見る」のたとえ通りだ。

太平洋戦争末期、毎夜の空襲警報の最中、人々はラジオから流れる「わが軍大勝利」の報を聞きながら、本当に勝利を確信していたのだろうか。今、キーウ(キエフ)は大量のミサイル攻撃でインフラが壊滅的状況にある。その中で、彼らはウクライナ戦争の継続と勝利を本当に信じているのだろうか。

ロシアの猛攻で戦線崩壊も

西側でも、冷静に物事を見ている人々はいる。もちろんあえてこうした情報を客観的だとはいわない。ただし、一方的見解を修正するには、意外にいい情報だ。要するにそうした情報を知ることで、論理的つじつまがあうからである。そうでない情報は、プロパガンダと思ってよい。

こうして今の状況を見てみると、少なくとも、戦線のフロントラインは東部ドンバスから南部ヘルソンにかけて膠着状態だといえる。それはロシアが併合した地域をせっせとロシア国家に編成替えしていて、大規模な攻撃を控えているからだ。

ただし、ウクライナ軍は戦略上きわめて重要な基地、ドネツクのバフムートでロシア軍の猛攻で崩壊する可能性が高い。交通の要衝であるこの地を失えば、フロントの状況は一変し、戦争は一気にウクライナにとって不利になるかもしれない。

肝心なウクライナ軍は、まず兵員の数において十分ではないということだ。戦争が始まった時点での両軍の兵力を見てもわかるとおり、ウクライナ軍は訓練を受けた常備軍がかなり手薄になっている。ロシアは、2023年早々にも行われるとされる猛攻に向けて、フロントラインに70万人を超える軍隊を配置しているという噂もある。

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