浜松「ガーベラ日本一」率いる脱サラ会社員の嗅覚 ここ20年で一人当たり出荷額は175%に
浜松市と聞いて、パッと頭に浮かぶものは何だろうか?
うなぎ養殖発祥の地、浜名湖の「うなぎ」だろうか? 宇都宮市、宮崎市と三つ巴の戦いを繰り広げている「餃子」だろうか? それとも、ヤマハ、カワイ、ローランドが製造している「楽器」だろうか?
ほかにもある。本田宗一郎が「オートバイ」を製造し始めたのも、鈴木道雄が「軽自動車」を製造し始めたのも浜松市だ。さらに、日本総研による「全国20政令指定都市の幸福度ランキング2022年度版」では、浜松市が1位になっているほど。
こんな浜松市が誇るもうひとつの日本一。それは、その色合いと姿かたちから10~20代の女性にとくに人気の花、ガーベラの出荷量だ。
自治体によってはうまく生かしきれていない「○○日本一」の称号もある中、「ガーベラ日本一」は浜松市のPRの武器として知名度を高めてきている。その裏には、元証券マンの就農により変身を遂げた、花の生産者集団「浜松PCガーベラ販売部会」の存在があった。
「生産量日本一だから何なのさ」
多くの自治体にとって「◯◯日本一」は、欲しくてたまらない称号だ。逆に、一度手にしたら絶対に手放したくない地位でもある。言うまでもなく、「◯◯日本一」ほど、わかりやすく使いやすい自治体PRはないからだ。
筆者が専門とする農作物についても同じことがいえるが、農作物ならではの難しさがある。それは組織力を発揮しにくい点だ。
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