物価高の節約術「地下鉄通勤費」最大半額にする技 手間はかかるが頭を使えば定期より安くなる
例えば、新宿―浅草間を280円で実質的に往復することができる。東京メトロ新宿駅で都営メトロ乗継券280円を買って入場し、丸ノ内線と銀座線を乗り継いで浅草へ行き、出場時に改札から出てきた切符を取っておく。ここがメトロ―都営の「乗継ポイント」だ。浅草で仕事をした後、今度は都営地下鉄の浅草駅に入り、浅草線・新宿線経由で都営線新宿駅へ行って出場する。
こうすると、戻ってくる駅は厳密には別だが、新宿から浅草へ行き、再び新宿に戻ってくるという「実質往復」ができる。この利用方法は、東京メトロ、東京都交通局ともに問題ないとの回答だ。
切符の運賃が280円なのは、これが東京メトロ新宿駅から都営地下鉄新宿駅に行く際の最低運賃だからだ。両線を乗り継ぐ最短ルートは新宿三丁目乗り換えだ。東京メトロの新宿―新宿三丁目間は170円、都営地下鉄の新宿三丁目―新宿間は180円。合計すると350円で、乗継割引が適用されて70円引きの280円になる。
実際に乗車するルートは遠回りでも問題ないため、これで通常は東京メトロ利用の場合片道242円・往復484円(ICカード利用時)の新宿―浅草間が実質的に280円になるわけだ。都営地下鉄だと同区間は片道272円(同)なので、本当に半額となる。
通勤時にこの方法を使うことを考えてみよう。1カ月に20日出勤する場合、280円×20日=5600円。これに対して東京メトロの1カ月定期券は8600円で、毎回切符を買う手間と、都営地下鉄利用の際、浅草線東日本橋―新宿線馬喰横山間の乗り換え(いったん改札を出る必要がある)の労を惜しまなければなんと月3000円も安くなる。
月3000円では、月20日勤務とすれば1日あたり150円ぽっちかと思うかもしれないが、東京メトロのポイント「メトポ」を貯めるために朝30分〜1時間早起きして、もらえるポイントが1日最大25円分であることを考えれば、お得度がグッと高く感じられるはずだ。
非正規雇用の人が使用している実例
都営地下鉄と東京メトロの両線が乗り入れる駅限定ではあるが、この方法はさまざまな区間で応用が可能だ。
実例を挙げよう。多摩地区から住吉駅(都営新宿線・東京メトロ半蔵門線)まで通っているAさんは、京王線で新宿へ出て、新宿で都営メトロ乗継券を買って都営新宿線で住吉へ行き、帰りは東京メトロ半蔵門線と丸ノ内線で新宿に戻るというルートを使っている。考え方は前述の浅草のケースと同様なので、切符は280円だ。
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