定期代ちょい足し「正しい折り返し乗車」の技 始発のある駅に延長、追加費用いらない場合も
通勤定期券を購入する際は、自宅の最寄り駅と勤務先などの最寄り駅の間を購入するのが一般的だ。だが、区間を少し延ばせば急行や特急列車などを利用して早く移動できるケースもあることをこれまでの記事で紹介した(2020年12月17日付記事「定期券、少しの金額追加で『早く楽に』帰る方法」)。
4月は新たに定期券を購入する人の多いシーズンだ。今回は、座れる可能性が高い始発列車のある駅まで定期券の区間を延ばし、なるべく座って通勤する方法を考えてみたい。
有効な切符がなければ不正だ
有効な乗車券を持たずに、始発列車のある駅や列車が空いている隣の駅まで戻って座ろうとする行為は不正乗車であり、各地で問題になっている。例えばみなとみらい線のみなとみらい駅では、東横線横浜駅からの利用客が着席を求めて折り返すケースが散見されることから、ポスターや駅構内放送による注意喚起とホームでの乗車券確認が行われていた(現在は乗車券確認を取りやめている)。
みなとみらい線を運営する横浜高速鉄道によると、この乗車券確認によって不正乗車を摘発できた件数は開示できないという。だが、「以前に比べ正しい乗車券をお持ちのうえで、折り返し乗車をされるお客様が見受けられることから、従来の『不正乗車を防止する』ことを趣旨としたポスターから『正しい乗車券のご購入を訴求する』内容にリニューアルを行い、新たに折り返し乗車の起点となる横浜駅の各ホームドアにも掲出を行いました」とのことである。
横浜―みなとみらい間の通勤定期券は1カ月7210円で、20日で割れば1日当たり361円だ。つまり、折り返し乗車による着席通勤のためにこの金額を払ってでも定期券を延長したいという人が一定数いるということである。これは鉄道事業者の増収にもつながるといえる。
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