定期代ちょい足し「正しい折り返し乗車」の技 始発のある駅に延長、追加費用いらない場合も

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また、始発列車が出る隣の駅からでも座れるチャンスのある路線もある。小田急多摩線は朝ラッシュ時に小田急多摩センター駅始発の列車があるが、隣の小田急永山駅からでも空席にありつける可能性が高い。急行も停まる途中駅、栗平―新宿間の1カ月定期は1万1810円。小田急多摩センターまで延ばすと1万3190円で差額は1380円になってしまうが、小田急永山なら1万2730円で、差額を920円に抑えられる。

ここまでは基本的に定期券区間の片側を延ばす場合を見てきたが、自宅側と職場側の両方を始発列車のある駅まで延長できればさらに便利だ。例えばJR総武線の新日本橋―西千葉間の場合、1カ月定期は1万8650円。だが、これを千葉―東京間に延ばしても1万9430円で、差額は780円。月20日出勤なら1日当たり39円だ。片道約20円で行きも帰りも着席通勤ができ、しかも東京駅と千葉駅に行き来できるようになる。

なお、あえて定期券の区間を延長しなくても始発列車に乗りやすい路線もある。朝のJR東海道線だ。この春のダイヤ改正では辻堂始発の列車が誕生し、小田原、国府津、二宮、平塚、辻堂の各駅から始発列車が設定されることになった。さらに、大船からは横須賀線の始発が使える。

延ばせば便利な定期券

このほか、いくつか始発列車に関するポイントを紹介しておこう。

●東急目黒線は武蔵小杉始発もあるが、頻繁に出ている日吉始発に乗りたいところだ。目黒線自体は短い路線だが、直通する地下鉄線内まで乗り通すなら座れたほうがいい。武蔵小杉―目黒間と日吉―目黒間の定期券差額は1カ月760円だ。
●東京メトロ有楽町線には池袋始発列車の設定がある。有楽町より先へ通勤する人にはありがたい列車だ。
●あまり知られていないようだが、東京メトロ副都心線にはラッシュピーク後に千川始発がある。隣の要町からでも座れるかもしれない。池袋発を要町発にするのもいいだろう。

いかがだっただろうか。有効な切符を持たずに、始発列車がある駅まで戻って折り返し乗車をする行為は違法だが、定期券の区間内であれば問題ない。始発列車のある駅は主要駅である場合が多く、区間を延ばせば着席以外の目的でも便利に使えるだろう。「始発のある駅」近くに住まなくても定期券があれば恩恵にあずかれるわけだ。

ただし、終点まで定期券の区間を延長する場合は要注意だ。定期券の効力上はそのまま乗車し続けることができるものの、整列乗車を実施している駅では折り返し列車であっても一旦下車して並び直さなくてはいけない。そうしなければ並んでいた乗客と即Go Toトラブルだ。ルールはしっかり守ろう。

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