電車・バス「ポイント制度」やめる各社の懐事情 JR東の「時差通勤でお得サービス」は話題だが…
時差通勤でポイントゲット――。JR東日本は3月15日から、Suica(スイカ)通勤定期券利用者が平日朝の通勤ピーク時を避けて列車を利用した場合にポイントを付与するサービスを開始した。ポイント還元によってオフピーク時の運賃を実質的に値下げし、ラッシュ時の混雑緩和を狙う取り組みだ。JR西日本も4月から同種のサービスを実施する予定で、鉄道の新たなポイントサービスに注目が集まる。
一方で、これまで続けてきたポイント制度をやめる鉄道・バス会社も現れている。背景にあるのは、経営環境の厳しさやコロナ禍による乗客の減少だ。大都市圏の主要路線がポイント制度で混雑緩和を目指す傍らで、ポイント廃止に踏み切らざるをえない状況も存在している。
「九州の雄」が乗車ポイント終了
福岡県を拠点に鉄道・バスを運行する大手私鉄、西日本鉄道(西鉄)。同社とグループのバス・鉄道各社は、交通系ICカード「nimoca(ニモカ)」で電車やバスを利用した際に付与してきた乗車ポイントサービスを3月31日で終了する。
ニモカは西鉄グループが発行する交通系ICカードで、2008年5月にサービスを開始。現在は同社グループをはじめ、福岡・大分・熊本・佐賀・長崎・宮崎の九州各県や山口県の交通事業者、さらに北海道函館市の市電やバス会社も採用している。
乗車ポイントサービスはニモカの導入時にスタート。西鉄バスグループの場合は、乗車時の利用金額の2%がポイントとして付与され、さらに1カ月当たりの利用金額に応じてボーナスポイントが付く。例えば1カ月間に350円区間を40回利用した場合(1万4000円)は、固定ポイントとボーナスを合わせて1180ポイントが付与される。1ポイントは1円分に交換できる。
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