物価高の節約術「地下鉄通勤費」最大半額にする技 手間はかかるが頭を使えば定期より安くなる
ただし要注意点がある。逆に押上から新宿への場合は運賃が異なるのだ。東京メトロ押上発都営地下鉄押上までの最短経路は住吉乗り換えとなり、東京メトロ押上―住吉間170円+都営地下鉄住吉―押上間220円に乗継割引70円適用で320円となる。ただし、これでも都営メトロ乗継券20回で月6400円。東京メトロの1カ月定期より2380円、都営の定期より3850円も安くなる!
今まで紹介してきたこの方法、ルール上は問題ないが利用時に注意点がある。以前、東京メトロに確認した際の説明によると、確かに最短経路計算の原則は適用されるが、紙の切符だと東京メトロと都営地下鉄の乗継駅までの普通運賃が乗継券の運賃を上回る場合は、改札出場時に乗り越しとみなされて通過できず精算が必要になるという。
要注意点も多い
複雑なので実例を示そう。例えば荻窪から浅草経由で新宿に行くケースだ。乗車ルートは荻窪―(東京メトロ丸ノ内線)―赤坂見附―(東京メトロ銀座線)―浅草―(都営浅草線)―東日本橋/馬喰横山―(都営新宿線)―新宿だ。
この場合、運賃計算上の最短ルートは荻窪―(東京メトロ丸ノ内線)―中野坂上―(都営大江戸線)―新宿となる。メトロ・都営とも初乗り運賃(170円/180円)の圏内なので前述の例と同様、280円で問題なさそうに思える。だが、荻窪から浅草までのメトロ線片道運賃は290円(紙の切符の場合)のため、最短ルートの乗り継ぎ切符の額面である280円を突破してしまう。浅草駅で改札を出ようとすると、運賃不足という扱いになってしまうのだ。
また、東京メトロから都営地下鉄に乗継の後、さらに別の都営線に改札外で乗り換える際(例えば蔵前駅など)も、片道の乗継運賃が券面の運賃を超えていれば乗り越しとして扱われる。そのため、都営メトロ乗継駅まで片道280円を超える場合は、さらにその上の310円の乗継券を購入する必要がある。
いかがだったであろうか。これは以前、地下鉄のお得な利用方法を記事で取り上げたとき、「計算してみると通勤で毎日使うと定期より安くなる」といった意見を見て気付かされたテーマであった。これからもあらゆる方策を検討し、「消費税減税は検討すらしない」という岸田政権によるエコノミック・ハラスメントを生き抜くべく、筆者による安さへの挑戦は続く。
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