レコ大と大違い?「韓国の音楽賞」盛り上がるワケ 人気授賞式「MAMA」から見えた音楽賞の意味

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K-POPの最大の特徴の1つは、その強固なファンの存在で、ファンがアーティストだけでなく、事務所や、放送局、授賞式などに積極的に意見をしたりすることで知られるが、こうしたファンによる関与度が高いほど、授賞式も盛り上がるという。

MAMAの場合、ファンによる投票をもとにした賞もあり、ファンにしてみれば「自分の推しに賞を贈る」という機会にもなる。音楽賞の授賞式では、アーティストが「これはファンの皆さんの賞です」というコメントすることが少なくないが、実際に投票だけでなく、楽曲の売り上げなど日頃からの「推し活」の結果が出るのが音楽賞の醍醐味の1つだ。

ファンが積極的に関与して盛り上げる

ファンによる「参加」はこれにとどまらない。金教授によると、誰が何の賞を受賞するかは授賞式のほんの一部に過ぎず、ファンはアーティストがパフォーマンスをしている時のカメラワークのよし悪しや、各賞が誰によってどのように選ばれたのか、という議論も積極的に展開する。

要望があれば放送局に伝え、放送局側もこれを取り入れるなどのインタラクションもある。「こうしてファンが積極的に関与していることが、「音楽賞としての『盛り上がり』を目立たせているのではないか」と金教授は指摘する。

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カメラワークなども注目されている(写真:「2022 MAMA AWARDS」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved)

前述の通り、今年のMAMAは世界200以上の地域で生配信されたほか、各アーティストのパフォーマンスはYouTubeにもアップされる。K-POPの特徴はこうしたコンテンツを惜しみなく無料で提供するところにあるが、これが世界でさらにK-POPのファンや授賞式自体のファンを獲得することにつながると見ているのだろう。

さらに、「韓国の音楽賞の面白さは、ミュージシャンが賞を争うというだけでなく、賞を提供する側のアーティストをめぐる競争にもある」と金教授は指摘する。多数ある音楽賞の中で、より人気のあるアーティストに、他では見せないようなパフォーマンスをしてほしい――。そのために、よりアーティストがカッコよく見えるような舞台や演出、カメラワークに力を入れるのだという。

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人気アーティストに最高のパフォーマンをしてもらうのが主催者側の腕の見せどころだという(写真:「2022 MAMA AWARDS」 (c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved)

力の入れようは製作費にも現れており、昨年8月の『ペン』誌によると、過去に香港や日本で開催されたMAMAの費用は数十億ウォンと莫大。一方で、「入場料や協賛など数百億ウォンの効果がある」(同誌)ため、2014年には損益分岐点を突破しているという。

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