「僕はなぜ働くのか」ウーバー配達員25人のリアル 専業から半ニートまで、配達員を続ける事情

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20代から50代、配達歴も7日間から5年まで、さまざまな配達員が自らの事情を語ってくれた(編集部撮影)
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「ウーバーイーツ配達員は労働者」。2022年11月に東京都労働委員会はそう判断し、配達員による組合「ウーバーイーツユニオン」の団体交渉に応じるよう命令を出した。ただ、会社側は12月に再審査を申し立てており、先行きは予断を許さない(詳細はこちら)。
そんな中でも現場の配達員は日々、配達をこなしている。どんな人たちが、どんな背景でウーバーの配達を支えているのか。都内で働く配達員25人への取材を通じ、その実像と本音を追った。(配達員は全員男性、イニシャルは登録名と異なります)

稼ぐ専業配達員のノウハウ

「正直、報酬体系はまったく気にしたことがない」。こう語るのはバイクで配達する40代のHさん。出勤がなく、起きたらすぐにでも仕事を始められる。時間が自由で融通がきき、仕事中に役所や銀行に行くこともできる点などが、ウーバーを専業としている理由だ。

報酬を気にしないといっても、Hさんの1日当たりの平均収入は約2万円。稼ぐ配達員なのだ。どこで受け取り、どこに届けるかをつねに意識して走行している。地理に詳しく、得意な地域で配達し続けることが重要だという。

注文を拒否すれば、次の注文までの時間が無駄になる。「明らかに金額が少ないと思う注文もありますが、件数を積み上げればクエストも達成できるし、お金も積み上がる」。クエストとは、例えば週ごとや繁忙時間帯に何件など、一定件数の配達を行うことで得られる追加報酬を指す。

「1日の平均は1万7000円~1万8000円ぐらい」。20代前半のKさんも専業で稼ぐ。ウーバーを始めた理由は「好きなときに遊びにいけるから」だ。

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