「僕はなぜ働くのか」ウーバー配達員25人のリアル 専業から半ニートまで、配達員を続ける事情

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話を聞いた中で最も長く、5年の配達歴がある20代のRさんは、以前よりも稼ぎやすくなっていると語る。「昔は件数が鳴らなかった(注文が来てアプリの音が鳴ること)が、配達員を集めるためのインセンティブ(追加報酬)がすごくて、それで稼いでいた。今は以前と比べて件数が増えているので、稼ぎやすい」。

専業を選ぶ理由として、自由な仕事のスタイルも魅力のようだ。「音楽を聴けるし、待ち時間にスマホでツイッターもできる。さっきはニンテンドースイッチをやってました」(30代Zさん)。

出前館の帽子で配達にやってきた30代のCさんは「適当に働けるところがいい。組織に属して働きたくない。注文が入らなくてもラジオを聴いているからいい」と話す。「午前中は起きられない」と語る40代のIさんは、夕方から夜が専門だ。「ウーバーは途中でキャンセルもできるので、ゆるくやらせてもらっている。満足というか、諦めというか。僕は半分ニートのようなものなので」。

「決まり事が少ないことがメリット」

一方、空き時間を活用し、副業として働く配達員も多い。「アプリをオンラインにすれば仕事開始、オフにすれば終了。そんな仕事はほとんどない」。こう話す30代のVさんは、平日夜の2~3時間と、土日に配達をこなしている。

「お客さんの位置情報が間違っていることが多く困る。チェックして登録してほしい」と話すMさん。「タワマンのお客さんはなかなかマッチングしないので、わざと住所を詳しく書かないことがある」(Sさん)という証言もある(記者撮影)

Vさんはほかの配達の仕事との違いを教えてくれた。ピザ配達の場合、仕事は店舗の営業時間内に限られる。シフトもほかの人員の都合もあって、自由には入れない。完全に自分の都合だけで働ける仕事はなかなかないという。「ウーバーは決まり事が少ないことがメリット。今の自分とっていいと思っています」。

「暇なんで始めました(笑)、副業ですね」。40代のTさんはこの日がウーバー7日目。自営業で、仕事が終わった17時以降の時間を持て余していたという。目標はダブルワークとして収入を得ることだ。「23時まで働きたい。1日5000円でも、積み重ねれば月10万円とか15万円になる。副業という金額ではないですよね」

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