｢Uber Eats配達員｣に接触されたらどうする？ 自転車事故で｢高額賠償｣となるケースもある

ウーバーイーツ配達員の不注意（過失）により、配達員が運転する自転車にぶつかられたときの民事上の問題について解説します（写真：Ryuji ／PIXTA）

交通事故というと昔は自動車やバイクの事故のイメージが強かったですが、警視庁の公表によると、交通事故全体に占める自転車関与事故の割合は2016年には32.1％でしたが、2021年には43.6％と上昇傾向にあります。

そして、ウーバーイーツ配達員等フードデリバリー配達員が運転する自転車との事故等、昔にはなかった態様の自転車事故が増えています。

冬休み、年末年始と人出が多くなる今、現代ならではの自転車事故事情をチェックして、事故が起きたとき、また事故防止の備えをしておきましょう。

配達員の運転する自転車にぶつけられたら

新型コロナウイルスの影響もあいまって、フードデリバリーサービスが多く利用されるようになりました。その中でもウーバーイーツ配達員の自転車を見かける頻度が多いと思われるため、ウーバーイーツ配達員の不注意（過失）により配達員が運転する自転車にぶつかられたときの民事上の問題について解説します。

上記ケースの場合、誰が法的に被害者への賠償責任を負うかというと、現時点では直接の加害者であるウーバーイーツ配達員となります。ウーバーイーツ事業の運営会社（運営会社のサポート業務を行う関連会社等も含みます。以下、ウーバーといいます）は原則賠償に応じません。

ウーバーに賠償責任はないの？現時点ではってどういうこと？と疑問に思いますよね。

民法715条は「ある事業のため他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定めています。この条文が適用される典型的なケースは従業員が勤務中に事故を起こして第三者に損害を与えた場合に雇用主が賠償責任を負うというものですが、雇用契約がなくても、実質的に見て使用者が被用者を指揮監督する関係があれば被用者の業務中の事故につき使用者が賠償責任を負うことになります。