ニューヨークが「ペット販売禁止」踏み切った背景 捨てられたペットでシェルターは満杯

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「許可を受け、規制を守って営業している地域のペット店を廃業に追い込めば、(まともな)繁殖業者を選別し、新しく家族に迎え入れられるペットの健康を定評ある獣医とともに守り、新しくペットを迎え入れる家族の成功を保証する人々もいなくなる」

法案に拒否権を行使するようホークル知事に求めてきたPUPPIのジェシカ・セルマー代表は、拒否権行使の嘆願が失敗したことを受けて発した15日の声明でこのように述べた。

コロナ禍「ペットブーム」の反動

ニューヨーク州議会で過半数を握る民主党は、珍しく共和党からの支持も得て同法案を6月に議会で通過させていたが、民主党所属のホークル知事が署名するかどうかは不透明な状況だった。

ホークル知事は12月に入り、非公開での交渉を何日か行った後、最終的には法案を支持することに同意した。ただ、ペット店への経済的な影響を和らげるために、いくつかの変更が加えられている。

販売禁止のタイミングが2024年12月まで先送りされたのは、その一例だ。また、保護された動物の飼い主を探すイベントを動物シェルター(保護施設)がペット店で開催する場合には、ペット店が場所代を請求できるとも定められた。

飼い主がブリーダー(繁殖業者)から動物を直接購入することは依然として可能とされている。その狙いは、ペットを飼いたいと考えている人が、責任あるブリーダーを訪れて購入できるようにすることにある。

その一方で今回の法律には、シェルターや動物保護団体からペットを迎えることを促す目的もある。シェルターや保護団体は現在、犬であふれかえっており、その多くは新型コロナのパンデミック期間中に買い求められ、捨てられた犬たちだという。

「命ある動物には敬意を持って接するべきであり、陳列棚から缶詰のスープを手に取る感覚で接してはならない」と、クイーンズ地域選出で今回の立法を推進した民主党のマイケル・ジャナリス州議会上院議員は言う。「この法律により、おぞましい子犬工場の虐待から多くの動物を守ることができる。法律が成立して、とてもうれしい」。

(執筆:Luis Ferré-Sadurní記者)
(C)2022 The New York Times

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