1パック5000円「究極レトルトカレー」驚愕の中身 採算度外視、究極のおいしさを追求して誕生

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徹底した味への追求と多岐にわたるラインナップが人気を集め、2012年に本社を構える宮城県下に第一号直営店をオープンした「NISHIKIYA KITCHEN」は、その後、直営店を増やし、東京ミッドタウンに進出するまでになった。

NISHIKIYA KITCHEN
「NISHIKIYA KITCHEN」東京ミッドタウン店(写真:筆者撮影)

菊池さんは、レトルト食品そのものへの「ニーズの多様化が大きい」と説明する。背景にあるのは、コロナ禍による“イエナカ需要”の高まりだ。

毎日のカレー作りの中で新商品を開発

「コロナ前と比べると、直営店は売り上げが約200%ほど伸びました。通販も好調で、コロナ禍で3倍ほど伸びています。『究極のレトルト』にも言えることなのですが、『NISHIKIYA KITCHEN』のレトルト食品は、ご自宅用だけでなく贈答用として購入される方がとても多く、比率としては約半分がギフトです。

我々の核は、商品開発にあります。冗談抜きで、毎日カレーを作っているので、新しい知識がどんどん蓄積され、新しい商品につながっていきます。そうした我々のこだわりと、『自分しか知らないものを贈りたい』といったニーズの多様化が合致し、ご好評いただいています」(菊池さん)

先述した藤井竜王へのプレゼントしかり、5000円カレーが完売するのは、贈答用としても支持を得ているからというわけだ。

また、同社の低価格帯商品には、「レモンクリームチキンカレー」(税込み450円)、「ゴルゴンゾーラビーフカレー」(税込み520円)、「マトンパンジャビー」(税込み420円)といった聞き慣れないオリジナルカレーも多い。ひるがえって、ギフトとしてのインパクトは高く、特別感を演出できる。

「最近はアウトドア市場からのお問い合わせも増えています。今年4月からは新宿にあるキャンプ用品店さんでも、『NISHIKIYA KITCHEN』のレトルト食品を販売しています」(菊池さん)

徹底的にこだわる姿勢が、多様なラインナップの開発につながり、結果的に新たな販路獲得につながっているというのは示唆に富んでいるだろう。

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