1パック5000円「究極レトルトカレー」驚愕の中身 採算度外視、究極のおいしさを追求して誕生

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一方で気になるのは、ラインナップが増えすぎることでデメリットは生じないのか、という点だ。

選択肢がないことは不幸なため、選択肢が増えることは歓迎すべきこと。しかし、選択肢が増えすぎると再び不幸になってしまう――「選択のパラドックス」という言葉もある。

商品はどんどん増やしていく

「私もこんなに増やしていいのかなと思うときがある」と菊池さんは笑いながらも、「ブランドコンセプトが『世界の料理を「カンタン」に。』なので、さまざまな世界の料理をレトルト食品で簡単に提供したい。そのためには商品をどんどん増やしていきたいという気持ちが強いです」と説明する。

レトルト商品には豊富なラインナップがある(写真提供:ニシキヤキッチン)

攻め続けることに意味がある――。そのうえで、「管理者にならないようにしている」と付言する。

「社員が楽しいと思える仕事を創出できるかどうか。市場にないものを作った結果、ニーズとマッチするかどうかは、正直なところやってみないとわかりません。そういう中でモチベーションを維持し続けるには、楽しさやワクワク感が大事。もちろん、どんな商品を作るにしても美味しいものを作るという気持ちは忘れてはいけませんが、同時に楽しさも欠かせないものだと思っています」(菊池さん)

「作ってみたいから」。そんなシンプルかつ純粋な気持ちが、支持を得るためには必要なのかもしれない。シンプル イズ ベストならぬ、シンプル  イズ スペシャル グレート ファンタスティック アメージング。たとえそれが5000円のカレーだとしても、チャレンジの姿勢があるからこそ、売り切れるのだろう。

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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