賛否ある「電動キックボード」見習うはパリ? 安全に乗るための「インフラ」あるべき姿
かつては年に2〜3回行っていたこともあるパリを、4年ぶりに訪れた。ここまで間隔が開いたのは、言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大だったが、久しぶりだったのでモビリティ分野の変わりぶりにも驚いた。
中でも目についたのは、電動キックボードだ。最後に行った2018年には姿すら見なかったのが、今は当たり前のように道路を走っている。
海外では電動キックボードはe-scooterと呼ばれることが多いが、フランスではtrottinette(トロッティネット)というのが一般的だ。
現地のニュースメディアによると、パリは2018年にヨーロッパで初めて電動キックボードのシェアリングを受け入れた都市で、当初は10以上の事業者が乱立していたが、苦情が多く寄せられたため、現在は3事業者に限定。それでも2021年の利用者は120万人に達しており、新規利用者も増えているという。
運転免許やヘルメットは不要で、自転車レーンを走行。最高速度は20km/hだが、一部の地域では10km/h、公共の公園ではゼロになるよう、GPSの位置情報により自動的に制限される。
パリの電動キックボードシェアリングは、特定のポートを持たないフリーフローティング方式なので、行政が指定駐車場を用意し、それ以外の場所に放置した場合は取り締まることにしたようだ。
これ以外に、パリでは個人所有の電動キックボードもある。フランスでは昨年、約90万台が個人用として販売されたそうで、ヨーロッパ最大の市場となっている。こちらは最高速度が、25km/hまで出るようだ。
車道と歩道も走れる日本の特定小型原付
一方、日本では2022年4月、電動キックボード等について、特定小型原動機付自転車(特定小型原付)というカテゴリーを新設するなどの内容を含めた改正道路交通法が公布され、2年以内に施行されることになった。
特定小型原付とは、全長190cm×全幅60cm以内(普通自転車相当)、定格出力600W以下の電動車で、最高速度は20km/h。16歳以上であれば運転免許不要で乗れ、ヘルメット着用は努力義務となるという。
走行場所は車道・自転車道・自転車レーンだが、機械的に6km/h以下に制御することで、自転車通行可能な歩道も利用できることになり、その場合は「識別点滅灯火」を使用することになる。
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