巨大中国が「台湾侵攻」に踏み出す決定的理由 「ロシア暴走」の教訓は覇権国争いに生きるのか
ロシア敗北でも中国は目的を果たす
大澤:今、実際に戦争をしているのはロシアとウクライナですが、その後ろにはもっと重要な中国という脅威があります。
もし、ロシアが破れかぶれで戦術核に手を出して戦争に敗北したとして、中国が台湾に侵攻する、あるいはその他の国に及ぼす中国の脅威には、それが必ずしも教訓にならない可能性がある。その点も踏まえ、中国とどう付き合うかは、またロシアとは別途に考えなければいけないと思うのですが、その辺はどうですか。
橋爪:ロシアは、ヨーロッパの盲腸のようなもので、サイズは大きいけど、いわばおまけですね。だけど、中国はどこかのおまけや付録じゃない。中国は中国なんですよ。それに中国は昔から気がついていて、イギリスが来て戦争に負けたときも「あれ? 俺たちは本当はもっと中心的な存在ではないか」と思っていた。
さらに、日本があっという間に近代化して日清戦争に勝って、支那事変で中国の半分ぐらいを占領したときも「これはまずい、革命が必要だぞ」と国民党、共産党が出てきた。だから、中国が新しく本当の中国になるためには革命が必要だというのは中国の合意だったんですね。