巨大中国が「台湾侵攻」に踏み出す決定的理由 「ロシア暴走」の教訓は覇権国争いに生きるのか

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中国と台湾
緊張感が増していく中国と台湾の関係性。中国による台湾への侵攻はどれくらい現実的になっているのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)
市民動員の発令で国内の反発が広がり、苦戦続きのロシアだが、その様子をつかず離れずの位置でうかがう中国。2022年10月に開かれた中国党大会では習近平総書記の3期目入りが決まり、習一強体制がスタートした。台湾の強行統一を目論む中国は、ロシアの苦戦をどう見ているのだろうか。
アメリカ衰亡の中で目立ってきた中国とロシアという2つの専制主義陣営のパワーにどう対抗すべきか。橋爪大三郎氏、大澤真幸氏、2人の社会学者による『おどろきのウクライナ』(集英社新書)では、文明論、宗教学、歴史、社会学と、あらゆる視座から検証し、白熱した討論が展開される。本稿では、プーチン退場を視野に入れつつ、習近平一強体制をさらに固めた中国の今後を両氏が予測する。

ロシア敗北でも中国は目的を果たす

大澤:今、実際に戦争をしているのはロシアとウクライナですが、その後ろにはもっと重要な中国という脅威があります。

もし、ロシアが破れかぶれで戦術核に手を出して戦争に敗北したとして、中国が台湾に侵攻する、あるいはその他の国に及ぼす中国の脅威には、それが必ずしも教訓にならない可能性がある。その点も踏まえ、中国とどう付き合うかは、またロシアとは別途に考えなければいけないと思うのですが、その辺はどうですか。

橋爪:ロシアは、ヨーロッパの盲腸のようなもので、サイズは大きいけど、いわばおまけですね。だけど、中国はどこかのおまけや付録じゃない。中国は中国なんですよ。それに中国は昔から気がついていて、イギリスが来て戦争に負けたときも「あれ? 俺たちは本当はもっと中心的な存在ではないか」と思っていた。

さらに、日本があっという間に近代化して日清戦争に勝って、支那事変で中国の半分ぐらいを占領したときも「これはまずい、革命が必要だぞ」と国民党、共産党が出てきた。だから、中国が新しく本当の中国になるためには革命が必要だというのは中国の合意だったんですね。

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