世代交代進むか、あの企業の23年トップ人事予測 発表済みの資生堂、三井住友などに続くのは?

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日本取引所グループの清田瞭CEO(最高経営責任者)は、2023年6月で就任8年になる。前CEOの斉藤惇氏は、前身の東京証券取引所から数えて満8年で退任しており、慣例上の任期満了となる。

斉藤氏が野村証券、清田氏が大和証券出身であることから、後任はたすき掛けで野村出身者の就任が有力視され、山道裕己COO(最高執行責任者)が候補にあがっていた。日本取引所グループは2022年12月16日に社長人事を発表。下馬評通り山道氏が4月からCEOに就任する。年齢的にも9歳の若返りとなる。

【2023年1月5日10時30分 追記】上記において誌面校了時の内容からアップデートがあり、一部修正いたしました。

「後継者選び」を公言しているのは、日本電産だ。2022年9月に、創業者の永守重信氏が当時の関潤社長に引導を渡した。後任には創業メンバーである小部博志氏が就任。ただ、2023年4月に5人の副社長を選び、うち1人を2024年には新社長に就任させる。

外部から永守氏の後継候補を招聘し続けてきたが、いずれも日本電産を去った。今後は永守氏が構築した企業風土を守るため、社歴の長い人物を登用すると思われる。

禅譲に向けて地ならし

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は2022年11月の決算説明会で、突如「今後株主総会以外は登壇しない」と発言。そのため健康不安説やトップ交代観測が広がった。

孫氏は、「健康そのもので気力も気概も十分だ」と引退説をすぐに打ち消したが、経営の禅譲に向けて、地ならしを始めたとみる向きもある。

後継者レースで現在先頭を走るのは後藤芳光CFO(最高財務責任者)だ。安田信託銀行(現みずほ信託銀行)出身で、2000年にSBGに入社。以降、財務面で孫氏を支えてきた。

決算会見での孫正義会長兼社長と後藤芳光CFO
2022年11月のSBGの決算会見に臨む孫正義会長兼社長(左)と後藤芳光CFO(右)(時事)

孫氏がかつて公言した「60代での引退」まであと4年余り。当面は英半導体開発大手アームの経営に専念しながら、後継者候補たちの真価を見極めていくことになりそうだ。

一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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梅垣 勇人 東洋経済 記者

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うめがき はやと / Hayato Umegaki

証券業界を担当後、2023年4月から電機業界担当に。兵庫県生まれ。中学・高校時代をタイと中国で過ごし、2014年に帰国。京都大学経済学部卒業。学生時代には写真部の傍ら学園祭実行委員として暗躍した。休日は書店や家電量販店で新商品をチェックしている。

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中村 正毅 東洋経済 記者

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なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

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宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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