「プレミアム付商品券」に飛びつく人に欠けた視点 数学的視点で本当に「お得」なのか見極める

プレミアム付き商品券を購入するときに大切なこと(写真:makaron* /PIXTA)
AIやデータサイエンスの活用などにより、これからのビジネスシーンでは数学に強い人材が求められるようになると言われています。とはいえ、数学に苦手意識を持つ人は少なくありません。代表的な理由は「数学を学んでも、日常生活で何の役に立つのかわからない」というものです。
ですが、身の回りで数学的視点を用いると、“意外な事実”が見えることがあります。身近な事例として「プレミアム付き商品券は本当にお得なのか?」と「カレーの辛さを3倍にしたいなら、香辛料はどのくらい増やせばいいのか?」などの疑問も数学で解決できるのです。『世界が面白くなる!身の回りの数学』の著者である下関市立大学准教授の佐々木淳氏に、この2つのテーマについて数学的視点を用いて解説してもらいました。
プレミアム付き商品券は本当にお得なのか?
「プレミアム付き商品券」とは、たとえば1万円で商品券を購入すると、2000円分のポイントがついてきて、1万2000円分の買い物ができるような、自治体等で販売しているお得な商品券のことです。近年は抽選販売になるケースもあるほど人気になっています。
プレミアム付き商品券を10000円で購入→10000円+2000円分(ポイント)→12000円分買い物できる
消費者がお得になるキャンペーンや商品はいろいろありますが、それらを分類すると主に下記のようになります。
①割引
②ポイント還元
③〇人に1人は無料
①は商品価格から一定の割合を値引きするサービスです。
②は代金の一部をポイントという形で購入者に還元する仕組みです。「プレミアム付き商品券」はこの②にあたります。
③は購入者のなかから一定数の人だけを100%割引(=無料)とするサービスです。「無料」というキーワードが魅力的なので、ついついこうしたキャンペーンにつられて購入する人も多いことでしょう。実のところ、この3つのキャンペーンのお得度には大きな差があります。
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