岡田武史氏が4年後へ「個の突き抜け」求めるワケ ワールドカップでもう1段上にいくのに必要なこと

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岡田武史氏(22年9月25日撮影)(写真:日刊スポーツ)

日本唯一2度のW杯指揮で、出場と自国外16強を初めて経験したサッカー元日本代表監督、岡田武史氏(66=日本協会副会長、J3今治会長)が「組織」から抜きんでる「個」の台頭に期待した。

22年カタール大会「日刊スポーツ特別評論家」として、PK戦の末に敗れた日本4度目の決勝トーナメント1回戦まで全体総括。進歩は認めつつ、日本の特長である献身性の枠に収めない育成・起用、選手時代に海外を経験した次代の指導者が出てくる必要性を4年後への提言とした。【取材・構成=木下淳】

「上へ行けなかった意味はあるはず」

4度目の挑戦で、いよいよ8強が許される経験を積んできたと思ったが、まだだった。クロアチアは3位と準優勝を知り、特に前回ロシアでは3試合連続で延長戦(うちPK戦2回)を制して決勝進出。今回も延長前半、まだ動けていたモドリッチとコバチッチを同時に下げた。「いい攻撃で勝ち切る」より「PK戦でいい」感覚だったと思う。

PKは「運」とか「結果は仕方ない」とか言われるが、自分はPKだろうが90分の試合だろうが、勝つために最高の準備をし、勝つためにベストを尽くすべきと思っている。自チームでキッカーを任されているのは鎌田ぐらいか、蹴り手の経験不足も露呈した形だ。

しかし、越えられそうで届かない壁だ。自国の利があった02年、どこか1次リーグ(L)突破に満足した10年、ベルギー戦は惜しかったが1次Lは勝ち点4だった18年。今回はドイツとスペインに勝って首位通過しながら満足していなかった。最も期待が大きかっただけに、考えさせられる。

一夜明けても何が必要だったのか自問し、まとまっていない。優勝経験国を連破して「成長していない」という人間はいないだろうが、上へ行けなかった意味はあるはず。ふと思い出した。南アフリカの後にヤット(遠藤保仁)から言われた言葉だ。「犠牲心のチームでしたね」。世界でも評価された組織力、一体感だったと思っているが、森保もそうだった。同じ日本人監督として勝つためにそうするべきだと信じている。

その中で、おぼろげながら次世代のチーム像に思いをはせてみた。日本は「個で勝てないから組織で勝つ」としてきたが「そんなこと言ってたら、いつまでも勝てない」と選手がどんどん欧州に出て個を高めてきた。プラス日本の特長である組織、以心伝心の一体感でドイツとスペインに勝てたが、森保の采配が当たった側面もある。もう1段上にいくため、やはり個の突き抜けが必要だと感じた。

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