「在宅夫婦のランチ」夫は平気でも妻にはストレス 1時間以上前に「お昼、何?」に妻はうんざり

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男性は「在宅ランチ問題」が見えていない(写真:プラナ/PIXTA)
コロナ禍で昼間も夫が在宅するようになったとき、「ランチストレス」に悩んだのは妻たちでした。夫には自覚すらなくても、妻にとっては大問題。ランチ1つでなぜここまで違うのでしょうか。『夫婦のトリセツ 決定版』より一部抜粋・編集のうえ、「男性脳」と「女性脳」が異なることから生じるすれ違いの原因をご紹介します。

妻たちのランチストレスが話題に

コロナ禍でいきなり在宅家族になったとき、妻たちのランチストレスは、本当に大きくて、よく話題になった。私は、笑い事じゃないな、と思っていた。男性や、主婦でない女性には想像もつかない「ずーっと気になる」ストレスが、妻たちの脳をむしばむのが、私には手に取るようにわかったから。

たとえコロナ禍がなかったとしても、5G通信網が開通した2020年には、この国では、リモート強化策が推進される予定だった。人類がコロナに打ち勝っても、リモートワークはさらに進んでいくだろう。ランチ問題は、夫婦の問題にとどまらず、地域戦略として考えていったほうがいいと思う。

というのも――わが家は、東京は下町、蔵前界隈にある。この界隈は、昔は、帽子、靴、バッグ、ベルトなどの問屋と工房が立ち並ぶ、家内制手工業の町だった。このため、お惣菜を売る商店街が充実していて、お昼にちょっと歩いただけで、さまざまな出来立てのお惣菜を買えたのである。

私がお嫁に来た37年前には、お昼は商店街のお惣菜で済まし、その際に、魚屋にお皿を預けて、夕方、刺し身の盛り合わせや焼き立ての魚を取りに行ったりするような暮らしをしていた。

今思い出しても、黒川の母と一緒に、繁盛している商店街を歩くのは楽しかった。それぞれの店の店主たちと仲良くなり、子どもが走って見えなくなっても、「あの角にいるよ、大丈夫」と教えてくれるような温かな時空。

私は、もう一度、こんな商店街が復活してもよいのに、と思う。リモートワーカーたちの住む町に。あるいは、リモートワーカーの住むマンションに、毎日、お弁当やお惣菜を買えるカフェが併設されていてもいいかも。

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