定年夫婦が互いに「イライラ」してしまう根本原因 昼間の大半の時間を過ごす場所を互いに確保

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(写真:mtmphoto /PIXTA)
定年を迎えた夫婦は生活スタイルが一気に変化することが少なくありません。会社に行かなくなると家で一緒に過ごす時間が増える分、夫婦で衝突することにもつながります。定年夫婦はどうすれば関係を良好に保てるのでしょうか。『60歳のトリセツ』から一部抜粋してお届けします。

まずは、プライベート時空の確保

長らく別々の行動をとってきた夫婦が、24時間一緒に過ごすことになったとき、最初にしなければならないのは、互いのプライベート空間の確保である。

いつだったか、住宅メーカーの宣伝で、「互いが目に入りながらも、つかず離れずの距離感を保てるリビング」みたいな提案があったが、私は賛成できない。目に入らないほうがいい。目に入るとイラっとする、が、夫婦の基本だからだ。

理想は、互いの気配は感じられるが(生活音は聞こえるが)、目には入らない個々の空間を確保すること。

分けるのは空間だけじゃない。時間も分けなくてはいけない。

たとえば、夫が書斎、妻がリビングにいて、空間を隔てていたとしても、夫が「この麦茶、飲んでいい?」「お昼何?」なんて気軽に声をかけていたら、妻は、自分のしたいことに専念できない。逆もまたそう。

だから、いったん、互いのプライベート空間に入ったら、しばらく声をかけない配慮も必要だ。何なら時間を決めて、その時間までは、相手のプライベートエリアに踏み込まないルールにしてもいい。

「3時までは、声をかけないでね」というのも棘とげがあるから、「3時に一緒にコーヒーを飲みましょう。それまで、私は編み物(韓流ドラマ)(ガーデニング)に集中しちゃうわね」というのがいいのでは?

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