さゆりさんと陽一さんに話を戻しましょう。陽一さんには、1つ懸念点がありました。実は離婚後にある女性と12年間、事実婚を続けていたのです。その女性とは踏ん切りがつかず破局。そのあとに婚活を始めたそうです。
陽一さんはその話を正直にさゆりさんに明かしました。長期にわたる事実婚ということで気になる女性もいると思いますが、私は「問題にしなくていいと思います」とアドバイスしました。
「事実婚だったけど縁がなかったから結婚しなかった。さゆりさんとは縁があるから今、真剣交際をしている。事実婚の時期と婚活時期が重なっているわけではないですし、隠さず話してくれたので誠実な人と捉えればいいのではないでしょうか」と。
潮風が吹いたときに結婚すると感じた
出会って3~4カ月。陽一さんの自宅近くの港が見えるレストランで食事をした後、デッキに出て2人きりになったとき、潮風がフーッと吹いたそうです。その瞬間、互いに「私たち結婚するんだ。これからの人生、この人と一緒に過ごすんだ」と直感。物静かな2人らしい、穏やかなプロポーズ。陽一さんは港の近く、さゆりさんは湖の近くと似た環境で育ち、響き合うものがあったのでしょう。
さゆりさんは「資格取得にチャレンジする陽一さんを支えたい」と言います。陽一さんは陽一さんで、「高齢のお父さんのそばにいてあげてほしい」とさゆりさんを気遣い、結婚はするけれども週末婚を選びました。さゆりさんは、平日はそのまま自宅でお父さんと暮らすそうです。そして、陽一さんが70歳まで勤め上げた暁には、2人一緒に暮らして穏やかに老後を過ごすのだそうです。
入会から約8カ月。あっという間の婚活で無事に成婚退会となったさゆりさん。当相談所でアラ還暦女性の成婚は、実は1%以下です。そもそも50代後半以降の女性会員がほとんどいない。
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