風向きが変わったのは、3月の第2週目以降だ。3月10日の組合の集会で、「賃金は、昨年の獲得実績を乗り越え、大きな前進を図るべく、最大限押し込んでいく」と、満額にこだわらないサインを送ると、翌日の第3回労使協議では、「人の力が原動力であることは十分に承知」(上田常務役員)と、会社側にも軟化が見られた。
今年の交渉が例年と異なったのは、回答日の3日前となる3月15日の日曜日に、事実上の決着をしていたことである。
「トヨタ労使が世間、グループに与える影響を考慮に入れて、早めの目線を出すことで、それぞれの企業が労使協議をやれるようにという、メッセージを話し合った」(上田常務)。「トヨタだけの交渉なら(回答日の)前日夜中までやってもいいが、社会性が強い今回は、グループの交渉を少しでも進めたい、時間を確保したいと考えて、(早めの決着を)考えていた」(鶴岡委員長)
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