若者が熱狂する「ブレイキングダウン」光と影 「オーディション暴行事件」で露呈した未成熟さ
“暴走”が起きたのは10月6日に行われたBreakingDown 6公開オーディションのことだ。
公開オーディションはいくつかのグループに分けて行われるが、比較的計量な女子を集めたグループの面接時、面接に参加していた応募者が他の応募者に暴行したうえで怪我を負わせてしまったのだ。
BreakingDownのファンならば「よくあること」と、演出や面接時のアピールが少しばかり行きすぎただけと思ったかもしれないが、このときの様子は少しばかり違った。
公開オーディションはBreakingDownにおいて本戦にも匹敵する人気コンテンツだ。いきがる不良たち、あるいは喧嘩自慢たちを集め、どれだけ喧嘩が強く、地元で伝説を残してきたかなどを語り、互いに煽り合う初期の大会での様子が人気を呼んだが、その後も出場を希望する応募者たちがユニークな自己アピールを繰り広げるためだ。
自分を際立たせアピールする公開オーディションをエンターテインメントして動画制作しているBreakingDownの特徴を意識し、応募者たちは本戦への出場を目指して時に激情してみせることもある。しかし、試合でもなければレフェリーもいない、単なる面接の場である。その場で殴り合うことは許されていない。
2人の女性参加者が暴行を繰り返した
2人の女性参加者が、持ち込み禁止のアルコールを控え室で大量に飲んだうえで公開オーディションに挑み、複数の応募者たちに暴行を加える行為を繰り返した。暴行を加えられたうちの1人は膝を負傷。病院に運ばれ半月板損傷の診断を受けた。
このときの様子はオーディション動画としてほとんど露出されていないが、筆者自身、怪我をした場面でパイプ椅子を用いて脚部を殴っていたのを取材で目撃している。これまでもパイプ椅子を投げ捨てたり、投げつける行為はあったが、実際に殴りつけ、2人がかりで1人を襲うなどして会場は騒然となった。
ところがそれだけでは2人の行為は終わらない。
他の出場者に対しても、正面から膝蓋骨を前蹴りする、膝関節に凶器で攻撃する、死角から後頭部を殴る、あるいは背後から頸部に腕を回して引き倒すなど、後遺障害を残しかねない行為を繰り返した。
突然の凶行で運営スタッフは即座に対応できなかったのかもしれない。しかし、その後の対応や展開は本来、イベント主催者が示すべきルール尊守の姿勢や場としての公平性、透明性に疑問を残すものだった。
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