断熱性の高いペアガラスなどを採用できればベターだが、とりあえず床に届く長さの厚手のカーテンを使うことが手っ取り早い。カーテンを買い替えるのはちょっと――という人には、100均で売っている断熱カーテンを併用するのも一案だ。窓とカーテンの間に下げることで、窓からの冷気を防ぎ、室温を下げにくくできる。なお、100均には直接窓に張り付けるタイプの断熱シートも売っている。夏の冷房費対策にも役立つので、試してみるのもいいだろう。
同じく、暖めた空気を床から冷やさないため、コタツやホットカーペットの下敷きとして断熱マットを敷くのもいいだろう。アウトドア用のアルミシートでもいいし、100円ショップではジョイント式の厚手マットも見つかる。
甘く見てはいけない、温水洗浄便座の電気使用量
トイレで温水洗浄便座を使っている家も気を付けたい。使用していないときは必ず便座のふたを閉め、便座の熱が逃げてしまわないよう注意を。
実はこの温水洗浄暖房便座、思いのほか電気使用量が多い。東京都の「家庭の省エネハンドブック2022」によると、家電別では照明器具・冷蔵庫・エアコン・テレビに次いで、なんと5位に入る(2019年度。都における家庭部門の電気使用量の機器別割合より)。甘く見てはいけない。
暖めたものを冷まさないといえば、次は風呂。大量の湯を沸かすには、それだけエネルギーを消費する。家族が追い炊きを繰り返すとその分消費量が増えるので、なるべく続けて入る、湯に保温シートを浮かべてその上からふたをするなどで、湯が冷めにくい工夫をしたい。
なお、熱い風呂が好きな人には恐縮だが、以前試算した数字によると設定温度によりかかるガス代は40℃と42℃では約9円の差が出た(ガス単位料金185円で計算)。光熱費を考えれば、ぬるめでじっくり温まるというのも手だ。
節約の基本は、気づかない無駄や無意味な浪費を止めることだが、エネルギーにもそれは通じる。特にキッチンでのガスの使い方には見直しポイントが多い。
よく、強火だと調理時間が短くすむ気がするが、炎が鍋底からはみ出すとそのガスはムダになる。炎の大きさを適度に調整するか、鍋底の面積が大きいフライパンを活用するのもいいだろう。
コンロの火をいちいち消さずに、先に煮込み料理を作り、その鍋を外して次に炒め物をするというように、1つのコンロを使い回しすることもムダを減らす。なお、鍋の底が濡れているとそれを乾かすために使われる熱がもったいないので、必ず拭いてから火にかけるようにしたい。また、鍋にはふたを忘れずに。
根菜類を煮込むとき、先にレンジにかけて野菜を加熱してから煮るとコンロにかける時間が減らせるという方法もある。もしレンジの電気代も気になるなら、煮込む野菜を小さく切れば火の通りが早くなるのでお勧めだ。
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