「経済は長期停滞入りした」しか言えない人の限界 創造的破壊の理論で経済成長の5つの謎を解く

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不平等を計測するにはどのような方法があるのだろうか。またイノベーションは不平等にどのような影響を及ぼすのか。

最上位1%の拡大し続ける所得は、不動産や投資による超過利潤だけでなく、イノベーションにもよることがわかっている。このことは何を意味するのだろうか。

イノベーションによる不平等は一時的

ここでは不平等を生んだ他の要因にはないメリットがイノベーションにはあることを強調しておきたい。

イノベーションは先進国経済における成長の原動力である。たしかに短期的にはイノベーションを生み出した人や組織に利益をもたらすにしても、長期的にはイノベーションの利益は模倣や創造的破壊によって消失する。

言い換えれば、イノベーションによる不平等は一時的なものだ。さらに、イノベーションは社会的移動性を高める。新しい才能の参入を促し、既存企業の部分的あるいは全面的な退場を促す効果がある。

■どのような税制が必要か

イノベーションと不平等の他の要因とのこうした違いから、税制の再検討の必要性が浮かび上がってくる。

税制は再分配を行うと同時にイノベーションひいては成長を促すべきであり、イノベーションと不平等の他の要因とを峻別することが必要だ。

イノベーションの意欲を減退させるような税制は成長の足を引っ張るだけでなく、創造的破壊を阻み社会的移動性を低下させる。

フィリップ・アギヨン コレージュ・ド・フランス教授

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Phillipe Aghion

コレージュ・ド・フランス、INSEAD(欧州経営大学院)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授。ハーバード大学教授を経て現職。ピーター・ホウィット教授との共著にEndogenous Growth TheoryとThe Economics of Growthがある。

 

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セリーヌ・アントニン OFCEエコノミスト

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Celine Antonin

OFCE(フランス経済研究所)エコノミスト、コレージュ・ド・フランス・イノベーションラボ リサーチ・アソシエイト

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サイモン・ブネル INSEEシニアエコノミスト

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Simon Bunnell

INSEE(フランス国立統計経済研究所)シニアエコノミスト、フランス銀行エコノミスト、コレージュ・ド・フランス・イノベーションラボ リサーチ・アソシエイト

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