実際に僕が買った「自分が住める家」の例をご紹介しましょう。
この物件は新潟県上越市にある、建築費が4000万円という3階建ての白亜の豪邸を120万円で買いました。これは僕が持っている家のなかでもトップクラスの豪邸で、外観や内装なども一切リフォームする必要がなく、風呂やトイレもめちゃくちゃキレイな、まさに大豪邸です。
この家は、知り合いの不動産会社から、「家投資や山投資をやっている永野さんに買ってほしい」と名指しで紹介された物件です。持ち主は、相当な資産家らしく、「使わなくなったから、別にタダでもいいんだけど」みたいな話だったようで、僕は120万円で買うことにしました。
なぜ120万円も出したのかといえば、自分が本気で住んでみたいと思ったからです。僕はこれまでに何千軒もの家を見てきていますが、ここまでの豪邸というのはめったに出会えません。きちんとした根拠があるわけではなく、「120万円でこの家に住めるのなら、安い買い物だな」くらいに判断したのです。
そうした判断の一方で、僕の頭の中には、こんな考えも浮かんできました。
「これだけ自分が住みたいと思うのだから、賃貸に出したら、すぐに借り手がつくかもしれない……」
自分が住みたいと思って買った家ですが、「賃貸に出してみたい」という思いが強くなり、不動産会社に連絡して、賃貸の申し出をしました。すると、すぐに月7万円の家賃で借り手が決まりました。
上越市の相場で考えると、7万円の家賃は妥当な金額ですが、これだけの豪邸ですから、割安感は相当なものだと思います。月7万円の家賃収入があれば、購入代金の120万円は1年半で元が取れます。入居者に喜んでもらえて、1年半を過ぎれば利益が生まれるのですから、お互いにとってメリットがあります。この家を通して、「これが僕の理想とする家投資の在り方だな」と改めて感じ取ることができました。
「自分が住めるか」が基準
先にも書きましたが、家投資を進めていくうえで、僕には大切に守っているポリシーがあります。それが自宅用でも、賃貸用であっても、家を選ぶときには、「自分が住みたいか」、「自分が住めるか」を基準にしているということです。
不動産投資家のなかには、「自分では住みたくないけど、他人が住むならいいかな」という考え方で家を選んでいる人がたくさんいます。このマインドは、やっぱり「良くないよな」と思っています。
「どうせ他人が住むのだから、安く買えれば何でもいいや」という自分勝手な考え方が問題なだけでなく、そのマインドでやっていたのでは、将来的に家投資が「手詰まり」になることが明白だからです。
手に入れた家を賃貸に出して、借り手が見つからなければ、自分がそこに住むことで、ムダな出費を抑えながら、次の一手を考える……というのが、家投資のセオリーです。最初から「自分では住みたくない」と考えていたのでは、その選択ができませんから、確実に行き詰まることになります。正義感とか親切心の問題ではなく、人としても、投資家としても、二重の意味で「やっぱり、良くないよな」と考えてしまうのです。
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