ゼレンスキー氏「チャップリン必要」と訴えた意味 チャップリン作品が今も心に響く根本的な理由
ゼレンスキー「新たなチャップリンが必要だ」
「独裁者は敗れると確信しています。私たちは1940年の時のような言葉を聞かなければなりません。スクリーンから聞こえてくる自由な世界の言葉です。私たちの時代の映画が沈黙していないことを示す、新たなチャップリンが必要です」
ウクライナのゼレンスキー大統領が、2022年5月に開催された第75回カンヌ国際映画祭にサプライズでビデオ出演した際に述べたものです。「1940年の時のような言葉」とは、その年に公開されたチャップリンの映画『独裁者』のラストシーンの平和と民主主義を訴える演説のことを指しています。
今年2月24日、ロシアはウクライナに対して「特別軍事作戦」を行なうと宣言し、首都キーウなど各地を攻撃しました。現在も、いまだウクライナ各地では激しい戦闘が行なわれています。戦火に苦しむゼレンスキーは、「新たなチャップリン」を求めました。
少し前の2020年には、新型コロナウィルスの感染拡大で多くの命が失われ世界から楽しみが奪われていた時、音楽家達によるチャリティ動画「One World: Together At Home」で、一番手のレディー・ガガがチャップリンの「スマイル」を歌いました。同じ頃、イタリアのボローニャでは無人の広場の壁にチャップリン映画が映写され、コロナ禍で外出できない人々に笑いを届けました。私たちは今も、あのちょび髭の放浪紳士を求めています。
それにしても、なぜ今チャップリンなのでしょうか? チャップリン作品が、今も人々の心に響くのはなぜか。そのヒントを、初期作品に探ってみましょう。
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