高速道路のICT化がもたらす未来と実用化の障壁 NEXCO東日本・中日本が実用化を目指す最新技術
これは、高速道路に設置したカメラやセンサーをはじめ、気象や料金所からの情報、走行中の利用者が発信したSNS投稿など、多様な情報をリアルタイムで収集し、それらをもとにAIが分析や解析、予測などを実施。利用者への渋滞情報はもちろん、事故や災害時の交通規制や復旧作業の指示などを、より迅速かつ効率的に行うというものだ。また、将来的に普及が期待されている自動運転車の安全な走行のための情報提供なども想定されており、活用範囲は多岐にわたる。
今回の展示会で公開されたのは、それらのなかでも、主に「インフラ司令」と「サービス司令」という先進技術を活用した道路管理センターの次世代業務だ。展示ブースでは、災害時などを想定し、i-MOVEMENTによって、いかにして道路管理センターが関連部門などに指示を出すかといったシミュレーションのビデオが公開された。
「インフラ司令」と「サービス司令」の具体的な内容
まず、インフラ司令では、例えば、大雨などにより、高速道路の脇にある盛り土などの法面(のりめん)が土砂崩れを起こした場合を想定。現場近くに設置しているカメラやドローンを使ったリアルタイムの映像などにより、AIが復旧作業などについて効果的な対策を分析。それにもとづき道路管理センターの担当者が委託するメンテナンス会社に連絡を取り、迅速な作業につなげるというものだ。AIの解析では、作業に必要なショベルカーなどの重機の種類や台数なども瞬時に割り出すことができる。
従来、こうした作業は、まず被災現場へ担当者が急行したあと、作業内容などについて判断し、その後にメンテナンス会社などに指示を出していたという。i-MOVEMENTの活用により、作業内容の判断時間がかなり短縮できるし、必要な重機などもいち早く、効率的に出動させることが可能になる。結果的に高速道路の復旧も迅速に行えるのだ。
また、サービス司令では、例えば、大雨によって高速道路で災害や事故が起きた場合、従来の通行止め情報に加え、より詳細な状況をリアルタイムで利用者に伝えることなども可能になる。情報の収集には、現場近くを走行する利用者が発信するツイッターなどSNS投稿のコメントや画像、動画なども活用することで、現場近くに設置したカメラなどではわかりづらい内容も把握することを想定する。なお、これについても同社では、「SNS情報収集システム」として現在開発中だ。
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