職場結婚は「今や傍流」1990年代から6割減の背景 ネット婚増でもお膳立てなければ結婚は増えない

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もし、別物だとするならば、ネットで知り合った夫婦は恋愛関係になることなく結婚しているのでしょうか? 知り合ったきっかけがネットであろうが、友達の紹介であろうが、合コンだろうが、職場だろうが、街でのナンパだろうが、結局当事者間の恋愛を経て結婚に至るのであれば、それは今までの分類上恋愛結婚と一緒なのではないかと思います。

「それを言ったら、見合いで知り合っても、戦前の見合いじゃないんだから、その後恋愛を経て結婚する夫婦が大部分で、見合い結婚も恋愛結婚になるじゃないか」というご指摘もあるかと思います。

ただし、見合いの場合は、事前の相手の選定から出会いの場の設定、その後のやりとりや相談も含めて仲人や媒酌人が介在します。それらは「お膳立て」といってよいものであり、当事者間だけで結婚に至るのか、第三者の介在とお膳立てがあったのかでは大きく結婚形態は違うものととらえるべきでしょう。

ネット婚は恋愛結婚に含まれる

ネット婚の場合、確かに相手を探す段階でのお膳立てがプラットフォームとして提供されていますが、気になった相手を見つけた以降はすべて当事者間の行動に委ねられる点で、見合いのようなお膳立てとは一線を画すもので、広義の意味ではネット婚は恋愛結婚に含まれると考えるほうが妥当でしょう。

すると、恋愛結婚比率が75%に下がったとはいえ、ネット婚の15%を加えれば、ほぼ90%となり、1990年代以降変わらないと見ることもできます。

比率だけで判断すると、「恋愛結婚が9割」となるので、それこそ「若者の草食化」も「恋愛離れ」もないという話にもなります。が、比率だけ見ていてはわからない部分があります。

そもそも婚姻数は年々減少していますので、この比率による実数按分を可視化すると、また違った景色が見えてきます。元データは、初婚同士の夫婦を対象としたものなので、初婚同士の実婚姻数にあてはめて計算します。

期間ごとの1年当たりの平均婚姻数(古い1964年以前の一部欠損データは無視します)を分母として、結婚形態別の婚姻実数を推計してグラフ化したのが以下になります。こちらでは、恋愛結婚とネット婚は積み上げ面グラフとしています。

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