イーロン・マスクが失敗について掲げている哲学 持続可能な世界に歩みをさらに進めた時期の生声

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テスラ創業者のイーロン・マスク氏
イーロン・マスク氏の生声をお届けします(写真は2017年、Carla Gottgens/Bloomberg)
Twitterを個人で買収し、大規模なリストラを打ち出して世界中の注目を集めているイーロン・マスク。歯に衣着せぬ発言や大胆な改革が話題を呼んでいるが、一体彼を突き動かしているものとは何なのか。
これまでイーロン・マスクが社内メールやインタビューなどで語った言葉には、彼を支える信念や本音、時には弱音も含まれている。そんな生の声こそ、彼の目指す世界や一連の行動を理解するのに役立つかもしれない。
本人自らの発言だけを収録した『イーロン・マスクの生声』から、テスラの特許技術を開放するなど、持続可能な世界に向けて更に歩みを進めた時期の発言を、一部抜粋・再構成してお届けする。

失敗の可能性が高くても大事なことならやるしかない

<2014~2015年 《前進》
テスラの技術特許を開放するなど、持続可能な世界に向けて更に歩みを進めた時期>

スペースXの目標は、宇宙飛行に大変革をもたらすことだ。将来的には、火星に自立した文明社会を築く。そして未来をさらに刺激的なものに変えていく。
――「hit Record on TV」番組 2014年2月1日

 

それが非常に大事なことなら、やるしかない。たとえ失敗の可能性が高くとも。
――「60 Minutes」番組 2014年3月30日

 

年を取るにつれて、責任は増えていく。さらに家族ができたら、リスクを負うのは自分だけではない。家族を巻き込むことになる。失敗するかもしれないことには、簡単に手を出せなくなる。だから、いま、行動を起こすべきだ。いろんな責任を背負ってからでは遅い。いまこそリスクを取って、大胆なことをやってほしい。後悔はさせない。
――南カリフォルニア大学の卒業式でのスピーチ 2014年5月16日

 

テスラ・モーターズは持続可能な輸送手段の普及を加速させるために設立しました。もしテスラが魅力的な電気自動車を作るための道筋をつけたとしても、後ろに知的財産権という地雷を設置して他者を妨害するようであれば、テスラ設立の目的に相反する行為となります。
テスラの技術を善意で使おうとする人たちに対し、テスラが特許訴訟を起こすことはありません。
――テスラ公式サイトのブログ「テスラのすべての特許をみなさんに」 2014年6月12日

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