10人に1人が「ネット婚活で結婚」急増の納得理由 婚活サービスが「出会いの機会」として普及した

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婚活サービスのうち、「ネット系婚活サービス」の利用率が著しく高い。婚姻者と同じように独身者のあいだでも、ネット系婚活サービスが主流であることがうかがえる。

さらに、婚活サービスを利用して恋人ができた割合は45.1%と、2017年から過去4年連続で伸びていることも注目ポイントだ。

(出所)「婚活実態調査2022」(リクルートブライダル総研)

この背景をたどると、コロナ禍で婚活サービスを利用するモチベーションが上昇したことが見えてくる。結婚したい人が一定数いる中、コロナ禍によって人と会うことが制限された。

仕事でも友人関係でも「なんとなく会う」ことが難しくなり、顔見知りの人とだけ会う生活へと変わると、初対面の人とは出会いづらくなる。そのため、「新しい出会い」を自分からつかみにいこうと、婚活サービスを利用するモチベーションが高まったのではないだろうか。

では、コロナで制限されていた活動が平時に戻っていくと、独身者の婚活サービス利用へのモチベーションはどうなるのか。「コロナ終息後も利用を継続したい」と考えている人は結婚相談所が70.4%、ネット系婚活サービスで92.0%、結婚パーティ・イベントで80.6%。一方、現在は利用していない人でも、約3割前後がコロナ終息後の利用を検討している。

この結果から、コロナ禍が落ち着いてきても利用者は増えていく可能性があり、婚活サービスの利用はますます活発になることが予想できる。

最適なサービスを選択し、出会いの数を増やす

これらの結果から、婚活サービスによって「新しい出会い」を増やすことは、結婚したくても出会いがない人にとっての重要な解決策になるといえる。

また、複数の婚活サービスを併用すれば、単独の利用よりも出会いをさらに増やせるだろう。そもそも婚活サービスごとに特徴があり、ネット系婚活サービスは効率的に婚活でき、結婚相談所では仲人が結婚相手探しをコンサルティングしてくれる。婚活パーティ・イベントなら大勢とリアルに出会えて、コミュニケーション力が鍛えられるかもしれない。

このように、それぞれに違う特徴があるからこそ、自分にとって最適なサービスを組み合わせて利用することで、よりマッチングの確率を高めることにつながる。実際に、サービスを併用している人のほうが恋人ができる確率も高いといったデータもあり、今後の利用方法の重要な観点だろう。

婚活サービスの効果的な利用は結婚したいと思っている人にとって、重要な手段として確立したと言える。今後も注目すべき市場である。

リクルートブライダル総研
Recruit Bridal Souken

結婚情報誌サービス『ゼクシィ』を企画運営する株式会社リクルートマーケティングパートナーズにおける調査・研究機関。恋愛・婚活・結婚・結婚式・家庭生活に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの発展に貢献することを目的として活動している。

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