孤高の努力家・滝沢秀明、涙してしまう「その人生」 「嵐・櫻井翔」に嫉妬され、「Snow Man」に慕われた

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実際、2019年に開設されたYouTubeチャンネルをきっかけに、「SixTONES」と「Snow Man」の存在は広く知られることになった。彼らのデビューを目指す姿がファンの心を掴み、翌年のCDデビューに繋がっていくなど、大きく結果も残している。

2018年いっぱいで引退した滝沢は、ジュニアの育成に専念。2019年8月には、自身のジュニア時代以来、長い間開催されていなかったジュニアのコンサートを19年ぶりに東京ドームで実現させた。コロナ禍より前だったが、ジャニーズとして初めて、ライブ全編の有料配信も行った。

このライブの模様が収録されたDVDのタイトルは『素顔4』。ちなみに「素顔シリーズ」の1~3は自身のジュニア時代にVHSとして発売されている。“夢の続き”と言ってしまうと大げさだが、自身がジュニアだった頃の盛り上がりを取り戻そうとしているようにも見えた。

「やり残してしまったこと」を叶えたかった

また、当時は今ほどデビューできる機会も人数も多くなく、同世代のデビューを尻目に諦めて退所していくジュニアも多くいた。もしかしたら、当時自分や嵐のようになれずに辞めていったメンバーのことを思い、ジュニア全員の人気を爆発させるという“やり残してしまったこと”を、叶えようとしていたのかもしれない。

ジャニーズアイランド社長就任後のジュニアの露出戦略には、「ジャニーズJr.」という場所にいるすべての才能を活かそうとする優しさが垣間見えた。それまで、テレビ出演するジュニアは、一部の人気者に限られていた。だが、デビュー目前の人気ジュニアではなくても滝沢は場を探し、与えた。

滝沢がすごいのは、それぞれのメンバーの特性を見極め、適材適所に送り込む力である。それは、ダンスや演技といった、いわゆるアイドルらしい特性だけではない。

Travis Japan」の川島如恵留(青山学院大学)、「7 MEN 侍」の本髙克樹(早稲田大学)といった高学歴メンバーは、クイズ番組に出演。「7 MEN 侍」の矢花黎にいたっては、“食が細い”という特色で「少食軍団」としてバラエティ番組に出演した。

キー局に限らず、ジュニアの露出先は地方局の番組にまで及び、この3年間で、ジャニーズの番組以外でジュニアを見かける機会は格段に増え、その種類も多様化していった。もちろん、その場はYouTubeをはじめとするウェブにも波及している。

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