孤高の努力家・滝沢秀明、涙してしまう「その人生」 「嵐・櫻井翔」に嫉妬され、「Snow Man」に慕われた
各々の個性を活かす――わかりやすい成功例が「Snow Man」だろう。デビュー時点で、それぞれのキャラクターができあがっており、バラエティ番組はもちろん、高身長のラウールにモデル業、現在『silent』(フジテレビ系)で高評価を受けている目黒蓮には俳優業、アニメオタクの佐久間大介にアニメ声優etc……と、各メンバーの特性を活かして活躍させた。
ジュニア時代は、バックダンサーとしての仕事が多く、年齢的には後輩の「King & Prince」の人気にも押され、トップジュニアとは言い難かった「Snow Man」。しかし、2022年のCDの売上枚数で言えばジャニーズの中でもトップクラスの人気タレントに育ったのは、滝沢の手腕に負うところが大きいのは言うまでもない。
思えば、ジャニー喜多川もそれぞれの個性を見極める力に長けていた。まだ10代の頃から「ユー、歌がうまいね」「ユーはおしゃべり」とそれぞれの特性を見極めていた。氏を真横で見てきた滝沢はそれを引き継ぎ、かつその特性を活かせる場所を見つけること・つくり出すことにも尽力してきたのだろう。
新社長・井ノ原は「ジャニーズイズム」を引き継げるか?
それほどまでに存在感の大きかった滝沢。その後を任されることになった元「V6」の井ノ原快彦はどうだろうか。新社長就任のインタビューで、井ノ原は「Jr.の気持ちはわかるけど、『俺たちの頃は…』とは言わない」と発言している(「サンケイスポーツ」2022年11月1日)。
実は11年前、まだタレント活動をしていた頃の滝沢が、同じようなことを発言している。「Jr.と話すときには絶対に『オレのときはこうだったんだよ』って言い方はしないようにしてるんだ。絶対に自分の考え方を押しつけないようにしようって気をつけてる」(『POTATO』 2011年8月号)。
ふたりとも同じ思いを持っていた。歴史を繋いでいく責任感を持ちながらも、自分たちの成功体験を後輩に押し付けない。伝統と革新の絶妙なバランスを取り続けるのが「ジャニーズイズム」なのかもしれない。
ただ、そう言葉にするのは簡単だが、そのバランスをとるのは一朝一夕にはいかないだろう。
やはり、滝沢の様々な偉業の根底にあったのは、自分の人生を180度変えてくれた、恩師・ジャニー喜多川への恩義と、「ジャニーズJr.」という集団への愛だったように思う。ジャニー喜多川、そして仲間や育成した後輩たちと愛を持ってつくり上げた“城”を、滝沢は後にすることになった。
2009年に発売され、滝沢が自ら作詞したソロシングル曲『愛・革命』は、最後にこう締める。
「これ以上 見つめ合ったら 叶わないのさ 革命」
“愛の強さゆえに成功しない革命”を、滝沢は予期していたのかもしれない。
※『愛・革命』作詞:滝沢秀明、作曲:滝沢秀明・Mark Davis・Tim Larsson・Johan Fransson・Niklas Edberger・Tibias Lundgen
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