孤高の努力家・滝沢秀明、涙してしまう「その人生」 「嵐・櫻井翔」に嫉妬され、「Snow Man」に慕われた
2006年からは活動の方向性に大きな変化を起こす。
この年から新橋演舞場で、自身が主演を務める『滝沢演舞城』が開始。新橋演舞場でジャニーズのタレントが公演を行うのは、これが初めてのことだったが、2010年に滝沢が演出も務める形の『滝沢歌舞伎』となってシリーズ化した。
ここに多くのジュニアを出演させ、滝沢が後輩を直接的に育成する場所となっていった。現在の「Snow Man」のメンバーは、この舞台の常連だ。滝沢のタレント引退後の2019年からは『滝沢歌舞伎ZERO』として、彼らが主演を引き継いで現在まで続いている。
この『滝沢演舞城』はジャニー喜多川の「僕は城を作りたいんだ。滝沢の城を」という一言から始まったというが(『Top Stage』2006年3月号)、まさにこの“城”から、滝沢に師事する後輩たちが飛躍していったのだ。
タッキーの「凄すぎるウェブ戦略」
そして、現在のジャニーズを考えるうえで、もうひとつ特筆すべき“城”がある。
2010年に始まった動画配信サービス『滝CHANnel』だ。これは、滝沢秀明プロデュースによるウェブ上でジュニアの出演動画を見られるサービスである(現在は終了)。有料会員向けではあるものの、これは当時画期的なものだった。
そもそも2010年はまだYouTubeがそれほど流行っていない時代。ユーチューバーという言葉も存在せず、ウェブ動画でタレントたちがオリジナル企画を行うというのは時代の先をいっていたと言っていい。
さらに、舞台はジャニーズ事務所だ。ジャニーズは肖像権管理が厳しく、自社のタレントが表紙になった雑誌の販売サイトや、主演するドラマの公式サイトであったとしても、タレントの画像をウェブ上に掲載することを許していなかった。
2018年から徐々にウェブ掲載が解禁され、ジュニアのYouTubeチャンネルを皮切りに、翌2019年に「嵐」、2022年には「KinKi Kids」のYouTubeチャンネルを開設。現在はウェブ展開にも積極的になっているジャニーズだが、その8年も前から滝沢はウェブ戦略を開始していたのである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら