日本に射程1600kmミサイル配備ははたして必要か アメリカ製「トマホーク」導入が検討される事情
以下、番組での主なやりとり。
梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):核兵器の懸念はロシアだけではない。10月13日、浜田防衛相は北朝鮮について「核の小型化・弾頭化をすでに実現しているものとみられる」と述べた。日本は、核を使う可能性のある国に囲まれているということになるが、日本をどう守るべきなのか。政府がアメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」を購入できないか検討に入ったことがわかった。低い高度を維持して音速に近い速度で飛び、ピンポイントで目標を攻撃することができる、とされている。1991年に湾岸戦争で投入され、2018年にはシリアでも攻撃に使用された。実戦でその高い性能が証明されている。日本政府は自衛隊員を守るため、敵の射程圏外から攻撃できるスタンド・オフ防衛能力として、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾を改良して射程を1000km程度に伸ばす構想を進めているが、配備は2026年度を予定している。それまでの空白期間を埋める戦力としてトマホークが浮上した。反撃能力として使うことも想定しているとみられている。アメリカの研究機関によると、トマホークの射程は1600km。日本海に展開するイージス艦から、北朝鮮だけでなく中国の北京も射程に入る。
抑止力として検討されている「トマホーク」導入
松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):かなり射程が長い巡航ミサイル「トマホーク」の導入が検討されている。与党では反撃能力保有が検討されているが、1600kmを超える射程を持つと言われるトマホークの導入は必要なのか。
新藤義孝氏(自民党政調会長代行、元総務相):安全保障は相対的なものだ。われわれが相手にきちんと対処できると、それが抑止力になる。今までの日本の防衛戦略に欠落していたのは、スタンド・オフ能力と反撃能力。相手の脅威が確実に日本を上回っているならば、それに対処するのは自国防衛のために必要なことだ。
今までの交渉でアメリカはトマホークを外には出さないということだった。最近の東アジアの状況を考え、装備の隙間を埋めるため、交渉するようになってきたということだ。当然、必要な自衛の範囲として(導入を)検討すべきだと考えている。