ニュートンも大損!「世界3大バブル」狂気の実態 株価が上昇している時こそ過去の事例を学ぼう

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しかし実態を伴わない株価の暴騰は、必ず暴落することで幕を閉じます。1721年には会社が倒産し、ミシシッピ株は紙くず同然となりました。経済は混乱し投機バブルに浮かれた人たちは大きな損失を被ることになったのです。

バブルと暴落からの学び

本記事では、世界3大バブルを紹介しました。過去に起こったバブルと、現代社会でもしばしば発生するバブルとでは、人々の無分別な熱狂を伴うという点において、何ら変わっていないことが読み取れたのではないでしょうか。

また、そのような熱狂を伴った投機バブルは必ず崩壊しているという事実も忘れてはならないでしょう。そのような投資先からは距離を置くのが賢明です。

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ドイツの哲学者ヘーゲルは「歴史から学ぶことができるただ1つのことは、人間は歴史から何も学ばないということだ」という言葉を残しました。

株価下落局面においてはずっしりと響くこの言葉も、株価上昇局面においては人々から忘れ去られてしまいます。その結果、あらたなバブルを生み出しているのです。株価上昇局面において、皆が貪欲となっているときこそ思い出したい言葉です。

最後に古代ローマの英雄、ユリウス・カエサルの言葉を紹介して締めくくりとします。2000年以上前の言葉ですが、人間の本質を見抜いた永遠に風化することのない名言です。

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」

参考文献
チャールズ・マッケイ『狂気とバブル』(パンローリング/2004年)
ジョン・K・ガルブレイス『バブルの物語』ダイヤモンド社/2008年)
長期株式投資 「日本の配当株」メインの個人投資家

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ちょうきかぶしきとうし / Choukikabushikitoushi

「日本の配当株」専門の個人投資家。1977年、熊本県生まれ。2004年株式投資を開始。ハイリターン・一攫千金を求め新興市場にて個別銘柄の投資をするも、ライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、リーマンショックで含み損が600万円にまで膨らむ。2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2022年の税引き後の手取り配当額は282万5128円と過去最高を更新し、運用資産1億円を突破。近年は、19年間の投資生活で磨いた技術やノウハウをTwitterやブログにて発信。2023年3月、長年勤めた会社を早期退職し、オンラインサロンを開設。

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